WordCamp Europe 2013 全般レポート

WordCamp Europe (WCEU) について、ひきつづき全般的なレポートです。私の講演内容&スライドについては1つ前の記事をご覧ください。

会場・施設

イベントが開催された町ライデンはアムステルダム空港(スキポール国際空港)から電車で4駅。駅から会場まで徒歩10分程度です。今回はヨーロッパ各地、その他の海外から電車または飛行機で来た人も多そうでしたが、移動にとても便利な立地でした。

アムステルダム電車地図

会場の Stadgehoorzaal は非常にヨーロッパらしい歴史を感じさせる建物でした。会場全体への WordCamp Europe のロゴ配置など、ブランディングは派手ではないけれど完成された感じで、どこを見てもかっこよかったです。

WordCamp Europe Venue

長めのコーヒーブレイクが1日計3回あり、ランチ時間には会場のカフェテリアでサンドイッチが提供されました。来場者とお茶をしながらおしゃべりできる機会が何度もあるおかげで、懇親会まで待たなくてもいろんな人に挨拶したりできるのでいい構成だなと思いました。セッション間はスケジュール上では休憩時間がゼロ(!)という表記だったんですが、この休憩時間も使ったりしてちょうどいい感じに調整されていたようです。

セッション内容

今回の WordCamp のセッションを眺めると、大きな柱は「ビジネス&エンタープライズ」「サイト構築ノウハウ共有」「国際化」といったあたりのようでした(セッションタイトルの日本語訳はこのブログの過去の記事にあります)。さらに共同創業者マット・マレンウェッグとコアのリード開発者アンドリュー・ネイシンから、これからの WordPress についての話もたっぷり聞けました。動画は WordPress.tv で公開される予定ですが、スライドが WordPress Tavern の記事でまとめられています。

自分のセッションの直前だったので途中で抜けないといけなかったんですが、2日目の午後には GlotPress Meetup もありました。GlotPress の現在のリード開発者である Marko Heijnen がこれからのロードマップを説明したり、質問を受けたり。約60人くらいが集まって WordPress コア・プラグイン・テーマのローカリゼーションについて熱く語りました。

GlotPress Meetup

コントリビューター DAY

3日目、月曜日は参加者が WordPress に貢献する活動を行う「コントリビューターDAY」でした。こういった取り組みは最近各地の WordCamp でも2日目 or 3日目のオプションイベントとしてちらほら見られるようになってきているのですが、私は今年の WordCamp SF に続いて2度目の参加でした。例えば、WordPress の開発システムをコア開発者・協力者が教えてくれたり、ドキュメンテーションを更新したり、BuddyPress や bbPress といったコンポーネントのミーティング・開発をやったり、といったように、オープンソース活動に参加するというのが目的の一日です。

これまで参加したことがない人にとっては対面で教えてもらいながら始められる良いきっかけになるし、普段から何かしている人の場合、いつもは遠くにいる人たちと会って作業するという貴重な経験ができます。私も今回 make.wordpress.org/polyglots などでアバターやハンドルネームに見覚えがある人や、WordPress.com でドイツ語・スペイン語の翻訳に協力してくれている人たちに初めて会えたりしました。1年ほど前、テーマを翻訳しているときに元のコードの i18n 化について作者チームからの質問に答えたことがあったんですが、そのときやりとりした人が「あの時はありがとう!」と声をかけてくれて驚きました。

7月の WordCamp SF の場合、前日に行われた基調講演の字幕付けを最優先でやろう!というグループに入ったので、共同作業というのが少なめでした。今回は翻訳者のグループでテーブルを囲み、普段気になっていることなどを話し合いつつ作業を進められたので楽しかったです。Zé が今回のために立てた Polyglots Contributor Day P2 ブログを使って割り振り・情報共有をしつつ、翻訳者向けハンドブックの充実のための作業などを行いました。

WordCamp Europe Polyglots p2

 

参加者・スタッフ

今回の参加者は約700人とのこと。事前アンケートはとっていないらしいんですが、マットの質疑応答での挙手反応の感じでは半分程度がオランダから、それ以外のほとんどがヨーロッパ、そしてアメリカといくつか他の国、という感じでした。Automattic の同僚も各地から集合。ボランティア、スピーカー、ブース担当で参加しました。現在の居住地 OR 出身がヨーロッパという人が多かったみたいです。

セッションの最後に WordCamp ヨーロッパの運営者とボランティアの数十名がステージに全員集合したときは、見ている方もじわりと来てしまいました。舞台の終わりに役者さんやスタッフがカーテンコールするのと一緒で、何ヶ月もかけてこのイベントを作り上げてきたスタッフへみんなで大きな拍手をできる機会があるというのはいいですね。

WordCamp Europe Organizing Team

感じたこと

全体を通して感じたのは、前回の記事でも書いたとおり「ヨーロッパ地域のコミュニティの成熟度を表したイベント」だった、ということです。例えば会場からの質問がしっかり深いところまで踏み込んでいたり、コントリビューター DAY で各分野のリーダーシップをとれるような人があちこちにいたり、挙げればきりがないですが細かいところでこの地域の WordPress ユーザー層の厚さを感じることができるような機会が数多くありました。

これまでに20回?くらい北米・アジアで WordCamp に参加してきましたが、国外 WordCamp を体験してみたいなら WordCamp Europe は非常におすすめ!と言いたいくらい満足できるイベントとなりました。来年もやるんじゃないかな?という運営者の声が耳に入ったりしたので、この記事を読んで気になった方は WordCamp Central でスケジュールをこまめにチェックしてみてください。

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Comments

“WordCamp Europe 2013 全般レポート” への2件のフィードバック

  1. […] Contributor Day は過去にもサンフランシスコで2回とオランダ(WordCamp Europe)で参加したことがあり、その時は参加者の人数と熱気を目にして「さすが、オープンソース活動を中心としたコ […]

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