WordCamp Tokyo 2017 振り返り

先週末の土日、2日に渡って行われた WordCamp Tokyo。今回は思いがけず(理由は後述)1日目のみの当日参加が叶いました。

スポンサーブース

いつものように、Automattic として Jetpack と WooCommerce のブースを出しました。Jetpack わぷーのステッカー、WooCommerce チラシ & エコバッグなどは品切れになるなど、たくさんの人に来ていただけてよかったです。ブースを手伝ってくれた田中昌平さん、Carlos さんに大感謝!

スタッフ活動(グローバル班)

スタッフとしての担当は、各方面の英語のコミュニケーションに対応する「グローバル班」。総勢6人のチームで、以下のようなことをやりました。

  • 同時通訳業者との調整
  • 英語トラックのスピーカー選定、スライドチェック、案内
  • スピーカーの滞在ビザ手配
  • イベント公式サイトの英語ページ作成
  • SNS での案内
  • 英語お問い合わせメールへの返信

この中でも大きなタスクは、今年2度目となる英語セッショントラックの調整。

準備期間の最初の方で(通訳費用や専用担当者などの負担も多いにも関わらず)、なぜ英語トラックをやるのか?どんなコンテンツであるべきなのか?という話を班のメンバーと話しました。「『単に海外の話を日本の人に届けるというだけではない内容』を目指したい」ということになり、国や言語を超えて共感できるトピックをなるべく選び、海外から日本に来るゲストだけではなく日本在住だったり、日本企業で働くスピーカーなども含めるよう工夫しました。

同時通訳で聞くことにより、「他の国の人も同じようなことで悩むことあるんだなぁ」とか、「言葉は違っても WordPress の使い方のポイントは似てるなぁ」とか、世界中にいる WordPress ユーザーを身近に感じるきっかけになったのなら幸いです。そうすることで、インターネットという広いところで使われている WordPress の面白みや可能性を理解することへつながっていくのかもしれません。

今回はネパールからのスピーカー Ganga Kafle の滞在ビザをイベント側で取得するという初の試みを西川さんが無事やり遂げてくれました。また、通訳業者さんとのやりとりを全面的に担当してくださった悦子さん、イベント前〜当日の SNS 更新を引き受けてくれた toru さんなどなど、班長の私が途中で入院→出産するという予定外のハプニングもありつつ、なんとかチームとして仕事を終えられたのも皆さんのおかげです。大変お疲れ様でした。

英語セッションを聞きに来てくださった方は、内容・通訳などなんでもいいのでフィードバックしていただけると大変うれしいです!

グローバル班のメンバー。

コントリビューターデイ

2日目は Slack を通して一部だけリモート参加しました。翻訳チームの手助けとなるよう「WordPress コア・プラグイン・テーマの翻訳手順」という Codex ページを更新するなど。翻訳承認(レビュー)や、PTE 権限のリクエスト方法を追加したのでぜひ活用してください。

WordCamp の運営について

WordCamp Tokyo は来場者もスタッフも多く、とくに委員長や一部の班長がこの2日間のためにかける労力というのは相当なものです。2008年に初めての WordCamp を東京で開いたときも、イベント慣れしていないことで右往左往してそれなりに大変だった記憶はありますが、今は人的・金銭的規模も10倍やそれ以上になり、それだけ準備も必要になっているわけです。

単純に、それほど多くの人がこのイベントに力を注いでいるという事実に対しての驚きもあるし、コミュニティの成熟も感じます。

でも、変わらないのは、これは「私たちが作るイベント」であるということ。誰かに「やれ」と言われてやっているわけでもないし、スタッフはみんな、やりたいからやっている。参加している人たち自身がテーマや方向性を決め、フィードバックをもとに工夫をこらして毎年少しずつ新しいことに挑戦してみたり、他のイベントから学んでみたり。たくさん関わればそれだけ返ってくるものも多いけど、今年は無理だからちょっと距離を置こう、と思うのも自由。

そういった WordCamp に関わることはやっぱりオープンソース的だなと思うし、私自身も回を重ねるごとにコミュニティやチームワークについてたくさんのことを学んでいます。

今回イベントに来てみて何か感じ取ったという方。行けなかったけどブログやツイートを見てすごく気になったという方。来年は、スタッフとして参加してみるのも楽しいかもしれませんよ!

今回の委員長の今井さん、副委員長の小林由憲さん。とても完成度の高いイベントとなったのはしっかりしたリーダーの存在がいたからに違いありません。本当にお疲れ様でした!

(おまけ)今回の参加は偶然の産物でした

実は今年の WordCamp Tokyo、昨年に続いて会社の合宿に重なってしまっており、また行けないのかー!と残念に思っていたのでした。

その後、第二子の出産予定日も開催日とぴったり重なるということが1月ごろに判明。産休または育休に入るので合宿は不参加になったものの、多少生まれるのが早かったり遅かったりしてもやっぱり参加は無理だろう、と、東京に居ながらにして行けない状況…のはずでした。

しかし、予定に反して50日も早く出産することとなり、母子ともに産後ある程度落ち着いたタイミングだったので、3歳の娘と生後2ヶ月足らずの息子を夫に預けて土曜の日中のみ参加することができました。

そんなわけで、WordCamp であれそれ以外のイベントであれ、子どもたちも楽しめるような企画なんてあるといいのかもなぁと思ったり。Polyglots Team の Petya が子ども向けの WordPress ワークショップキットを公開しているのですが、日本でも何かできるとおもしろそうです(ワークショップとかは、うちの子にはまだ早いのですが)。興味がある方、お声がけください!

Poedit の翻訳メモリを別のパソコンに移行する方法(Mac)

PO ファイル編集用のデスクトップアプリ、Poedit は現在のところ翻訳メモリ(Translation Memory = TM)をローカルに保存しています。新しいマシンに切り替える際に安全に移行する方法がオンライン上に見つからなかったので、作者の Václav さんに確認してみました。

Poedit の翻訳メモリ設定画面

方法は以下のとおりです。

  1. Poedit を新しいパソコンにインストールする。
  2. 両方のパソコンで、不可視ファイルを表示するように設定を変更(ターミナルを使うか、Finder で Macintosh HD を選択して ↑ Shift + ⌘ command + .)※ 。
  3. 両方のパソコンで Poedit を終了し、旧パソコンの以下のディレクトリを新パソコンからアクセスできる場所にコピーする(Dropbox など):
    /Users/xxx/Library/Application/Support/Poedit/TranslationMemory
  4. コピーしたディレクトリで新パソコンの同じ位置にあるディレクトリを上書きする。

write.lockと segments.gen というファイルを上書きするかどうか聞かれるかもしれませんが、私の場合上書きしてしまっても問題ありませんでした。

※ 不可視ファイルの取扱に慣れていない方は、誤操作で必要なファイルを消したりしないよう不可視に戻したほうがいいかと思います。

作者さんによると、異なる OS 間でもこのコピーの方法は有効とのこと。ただし、複数のパソコンがアクセスする共有の場所に翻訳メモリを置くことはできないそうですのでご注意を。

ちなみに現在の Poedit Pro 版では「オンライン共同翻訳メモリ」という機能があって、別環境での翻訳メモリ共有はこれでかなりカバーされている部分もあります。将来のバージョンではもっと手軽に翻訳メモリをエクスポート、インポートする機能も実装されるかもしれないそうですが、それまでの間にこの情報がお役に立てば幸いです。

英語版: Migrating Poedit Translation Memory to a Different Computer (Mac) 

WordCamp Kyoto 2017 に参加しました

6月24日、25日と京都大学で開催された WordCamp Kyoto 2017 に参加してきました。

今年は土曜日がセッションデイ、日曜日がコントリビューターデイ。その前後も、関西はもちろん各地の WordPress コミュニティから集まった多くの人と会ってたくさん話をすることができ、収穫の多い数日間を過ごすことができました。スタッフの皆さん、このような機会を作っていただき本当にありがとうございました。そしてお疲れ様でした!

今回のイベントではスピーカーとスポンサー、そして少しだけですがコントリビューターデイの世話役という役割でした。セッションについては別途書いたので、別の面から。

WordCamp Kyoto 2017 の和傘

WordCamp Kyoto 2017 の和傘。特製グッズがとてもセンス良かったです。

スポンサーブース

去年の WordCamp Kansai にも手伝いに来てくれた東京在住の Klymentiy(クリム)、そしてペンシルバニア州在住で日本の WordCamp は初参加となる Geroge Stephanis と3人で Jetpack/WooCommerce ブースを担当しました。

スポンサーエリアは一番大きなセッション会場である講堂の出入り口にも近く、適度な人の流れでよかったです。最近恒例となりつつあるブースツアーも盛況でした。

Android アプリ開発者である Klymentiy へアプリのフィードバックをしてくださる方や、George や私のセッションの後に内容について質問をしに来てくれる方もいて、ブースでお話できてよかったです。

他のスポンサーブースにも立ち寄ったのですが、知っていると思っているサービスでも新しい機能が追加されていたり、状況が変わっていたりと情報収集にとても良い場でした。ちょっとご挨拶をして眺めるだけのつもりでしたが、本気で勉強になりました!自分たちもスポンサーをしているからというわけじゃないのですが、セッションの合間に暇があれば(それがなかなか難しいこともあるとは思いますが…)ブースを巡って気になっていることをひとつふたつ質問をしてみるのもおすすめです。

セッション

見たいセッションはたくさんあったのですが、基本的にブース担当だったのでひとつだけ選んで見に行きました。現在の自分の業務に一番関係のある内容である、エラリー・ジャン・クリストフさんの「PO 形式の翻訳プロセス」というものです。

オープンソース翻訳メモリツールである OmegaT についての解説だったのですが、整合性チェックもできるし使いこなせれば便利そう…と思いつつ、イベント後、またこのソフトを一度開いてみたもののまだ慣れられず。引き続きトライしてみたいと思います。

コントリビューターデイ

国内では WordCamp Kansai 2014 から始まったコントリビューターデイ。今回はその時の WordCamp 実行委員長であった額賀さんが指揮をとった2日目のイベントとなりました。

事前にオンラインで議題として上がっていた翻訳者向けドキュメントの整備を話し合いながら進めていったり、ドキュメンテーション・翻訳ボランティアのテーブルに参加した方のヘルプなどをしたり。

私自身としては、日本語スタイルガイドページの刷新、WordPress コア・プラグイン・テーマの翻訳手順ページの作成などがこの日のうちにできてよかったです。そして立花さんが「WordPress の翻訳」ページを書き換えてくださって、翻訳に協力してくださる方向けの情報整理がだいぶ形になってきた感じです。

第1回 WordCamp Kyoto のこととか

ちなみに、8年前に行われた WordCamp Kyoto 2009 のイベントについてはこういう感想ブログを書いていました(なんと、写真を一枚も含んでいないですが!)。

WordCamp Kyoto 2009、終了しました!

WordPress と WordCamp って共通する事がたくさんあります。貢献を強制する事なく、本人たちも楽しんでくれる形でいろんな人からの協力を得られる仕組みにしていくことで好循環が生まれてくるのであって、関わってくれている人にストレスがたまる形で開発や運営をしていては、どんなにすばらしい人材やたくさんの資金があってもいつかはそれが枯れてしまうと思うのです。

短期的なゴールをとにかく達成すればいいというならそれでもかまいませんが、私は WordPress がゆっくりでも順調にずっと育っていってほしいと思っています。

だいぶ時間が経ちましたが、振り返ってみると今ではあの頃では考えられなかったくらいのたくさんの人たちが「WordPress というプロジェクトやコミュニティを大事に育てていく」という思いを共有し、そのために行動を起こしています。それによる WordPress の成長はもちろん驚くべきものになっていますし、今回のコントリビューターデイのようなことが定期的に実現されるようになるとは、8年前には想像もしていませんでした。

今後も、ひとつのイベント、ひとつのリリース、そして日々携わっているちょっとした貢献のそれぞれを大事にしながら、WordPress を応援していくことがまた将来につながっていくはずです。「スプリントではなく、マラソン」ということをマットは Automattic のモットーのひとつとしてよく口にしていますが、本当にそうだなあと実感できた久々の京都での WordCamp でした。

以下の記事も合わせてどうぞ。文章は英語ですが、写真メインです。

WordCamp Kyoto 2017 Photos

セッション動画は、さっそく WordPress.tv で見られるようになっています(仕事早い!)。