Automattic 全社合宿 2016(カナダ、ウィスラー)

このブログの過去記事を読んだ方は目にしたことがあると思いますが、私が働いている Automattic という会社では「Grand Meetup」と呼ばれる全メンバーが集合する一週間の合宿が年に一回開かれます。今年は9月14日から1週間の日程で WordCamp Tokyo と完全に被ってしまったのですが、全員参加が必須ということで出席となりました。

大枠としては去年とかなり近いので、一体どんなものなの?と気になる方はこちらをご覧ください。

Automattic 全社合宿、2015年版

宿泊先はカナダのスキーリゾートであるウィスラー。9月中旬に雪はないのでオフシーズンですが、自然に囲まれたいい場所でした。

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オープニングのスピーチ。

私は6月の WordCamp ヨーロッパの直前からこの合宿まで3ヶ月ほどサバティカル休暇を取っていて(Automattic には、5年働くと2〜3ヶ月の有給休暇を取得できる制度があります)、復帰第一弾の出張となりました。その間仕事はバックアップをしてくれる同僚に完全に任せていたので、チームメイトと顔を合わせて不在だった期間の情報収集ができる良いタイミングに戻ることができたと思います。

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Team Global

ここ数年、合宿中にはプロジェクトまたはクラスを選べるようになっているんですが、今年は WooCommerce のブログを書いているライターさんが主催するテキストライティングのクラスを選んでみました。テキストでのコミュニケーション能力は(少なくともこの会社での)リモートワークには欠かせないスキルなので、外部向けの文章の書き方だけではなくて普段の仕事をやりやすくするヒントももらえてよかったです。まだまだ練習の量が足りないなと思い、もっとブログも書いていこうという気にもなれたし。

その他のアクティビティとしてはレストランでの料理体験、中国茶・日本茶テイスティング、写真撮影ツアー、スウィングダンス教室などもやってやっぱり今年もめまぐるしかったです。

しかし、毎年増える社員のスケールに対応しつつも、フィードバックを元に全体的な改善が加えられているのが感じられて、このイベントを企画担当しているチームはホントにすごい。尊敬します。

懇親を深めたり、1年間分の士気を充電したり、普段やらない勉強やプロジェクトに取り組んで発見をしたり。500人近い人間が集まるのは大変なことですが、私たちのリモートワークチームには欠かせない年間行事だと今年も思える旅でした。

 
写真多めで英語記事も書いていますので合わせてどうぞ。
https://en.naoko.cc/2016/10/01/automattic-grand-meetup-2016-in-whistler/

Suumo「自由な仕事、自由な暮らし」特集に掲載されました

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Suumo の表紙と私の掲載されたページ。

5月3日号の「Suumo 新地マンション首都圏版」にて、オフィスのない会社ということでAutomattic での働き方を取り上げていただきました。

見開きの写真は、和歌山県白浜町の Salesforce サテライトオフィスで働く吉野さん。

特集で他にも、サテライトオフィス・月1回出社・部分的にリモートワークをしている方などが紹介されています。「テレワーク」を厚生労働省・総務省が推進していることや、国内企業の導入率の現状などの囲み記事もありました(調査対象の11.5%が導入しているとのこと)。

登場している人は私も含め Web・ソフトウェア関連の仕事ですが、他の分野の方も読むこういった媒体で取り上げられることで分散型の働き方に関する興味や関心が広まればいいなと強く思っています。

Suumo は駅、コンビニなどで無料配布されていますので、見かけた方は読んでいただければ嬉しいです。週刊なので来週火曜までになります。また、無料送付も申し込めるようです

Calypso: WordPress.com の新しい方向性

(タイトルはあくまで「WordPress.com」についてですので、お間違いのないよう。何のこと?と思った方は、こちらの記事も合わせてどうぞ→ WordPress / Automattic / WordPress.com の違いとは。

米国時間11月23日、WordPress.com の新しいダッシュボードがオープンソース化されると同時に Mac 用の WordPress.com デスクトップアプリが公開されました。両者ともに Jetpack プラグイン連携でインストール型 WordPress サイトでも利用でき、今この記事もそのデスクトップアプリで書いているところです。

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Calypso が意味すること

ここでは、インストール型 WordPress ユーザーや開発者にとって今回のリリースが何を意味するかについて少し書いてみたいと思います。

WordPress 開発者

多分このブログを読んでくださっている方は主にここが気になるのかなと思いますが、WordPress を使ってカスタマイズ、テーマ・プラグイン作成、もしくはホスティング環境などを提供している場合の影響です。Calypso プロジェクトの公開ページから引用・翻訳してみます。

新しい WordPress.com のコードベース(コードネーム “Calypso”)は、WordPress.com を MySQL と PHP から分離します。Calypso は100% JavaScript で書かれており、WordPress.com と REST API のみを使ってやりとりしています。[…]

Calypso はサーバー上の Node.js の薄いレイヤーを使い、Web ページをまず構築します。また、多くのロジックは、クライアント内でシングルページアプリケーション(SPA)として動作しています。この SPA は多くの外部オープンソース JavaScript モジュールを活用しつつ社内で作ったものです。Calypso は開発初期から Facebook の React ビューライブラリを導入し、他の React コミュニティ内のオープンソースプロジェクトに多大な影響を受けています。

現在のところは、バージョン 4.4 以降から徐々にコアにマージされていく予定の WP REST API ではなく、独自の WordPress.com REST API が使われています。将来、Calypso がすべての WordPress と共に動くアプリになれるよう、来年以降の WP REST API プロジェクト進行状況によって変化をとげていく予定とのことです。

さらに、このような記述も。

これは、どんな WordPress.com のサイトまたは Jetpack 連携サイトでも動作する実装例のひとつでしかありません。私たちのゴールは、WordPress との今までとは違うインタラクション方法を紹介し、より多くの人にワクワクしてもらうことなのです。

上記の通り、Calypso は Automattic という会社が WordPress.com とデスクトップアプリのために作った実装例です。「WordPress コアが JavaScript で書き直される!?」という誤解をしている人もいなくはないようですが、そのような事実や計画はありません。

マットは Venture Beat のインタビューに対し、「WordPress のサーバーサイドとクライアントサイドの技術は分離されていくのかもしれない。でももちろんそれはコミュニティが決めることで、これからどうなるかは様子見だね」といったようなことを話しています。

開発者向けのよくある質問は、Calypso プロジェクトページの “Common questions” セクションで回答されています。

WordPress.com ユーザー

昨日 WordPress.com 日本語版ブログでの告知記事を公開しましたが、レンタルブログサービスのユーザーサイドから知るべきことはこちらにまとまっています。

新しい WordPress.com と Mac デスクトップアプリ

インストール型 WordPress 一般ユーザー(投稿者・編集者など)

Jetpack プラグイン連携済みのサイトでは、プラグインの自動更新設定や投稿などに今すぐこの Mac アプリを使うことができます。また、ブラウザでも WordPress.com のダッシュボード UI から投稿、一部のサイト設定、プラグインの自動更新などの機能を利用できます。

逆に Jetpack を使っていない、使う予定がない方にとってはこのアプリ(そして Automattic が今後公開予定の Windows/Linux アプリ)は今のところ意味を持ちません。

コミュニティの動きによっては、Calypso のような仕組みを採用した別のデスクトップ、モバイルなどのデバイス向けアプリなどが出てくることも考えられます。

ニュースへの反応

WordPress コミュニティからはいくらかの驚きとこれからの展開についての期待、そしてオープンソース、JavaScript コミュニティからは歓迎の声が。さまざまな反響は、マットの記事にまとめられています。

Facebook Open Source:

React のコア開発者:

WordPress.com のこれから

Calypso が公開されたのは、WordPress.com サービスが2005年に公開されてからちょうど10年後のタイミング。これから先、WordPress.com や Automattic がどのように変化していくのかは誰にも分かりません。ただ、この10年間を振り返ってみると、このサービスや会社が生き残るにはオープンソース文化と良い意味での自己破壊(self-disruption)精神を大事にすることや、チャンレンジを続けていくことが不可欠であるといえる気がします。

これからの10年のスタートとなる Calypso は、恐らくインストール型 WordPress のコミュニティにもいい刺激を与えるのではないでしょうか。

Calypso の誕生ストーリーをもっと詳しく知りたい方は、The Story Behind the New WordPress.com をどうぞ。