Jetpack で安全にサイトを運営しよう (WordBench Users 第1回)

WordBench 東京の新バリエーション、開発者寄りではなくいわゆる「一般ユーザー」向けのイベントが今月から始まりました。この WordBench Users 第1回で、「Jetpack で安全にサイトを運営しよう」というセッションを担当しました。

Jetpack で安全にサイトを運営しよう from Naoko Takano

Jetpack は2011年の公開以来、機能(モジュール)の数が増えたりインターフェースがリデザインされたりと絶え間なく変化しています。

最近では、バージョン 4.4 のリリースにともなって有料アップグレードの「パーソナルプラン」も新しく追加され、オフサイトバックアップのオプションがさらに手軽に利用できるようになりました(月額400円〜)。

今回のセッションでは、Jetpack でできる WordPress のセキュリティ強化方法に少し触れました。無料機能としてはこういったものが含まれます。

  • 総当たり攻撃対策(IP ベースの攻撃ブロック)
  • モニタリング(サイト死活監視)
  • シングルサインオン(二段階認証オプションあり)
  • サイト一括管理(要更新項目の確認、ログインパスワードの一元化)

また有料プランに含まれる機能では、

  • セキュリティスキャン
  • バックアップ

などを使えばさらに高度な対策も可能です。

またそもそも、活発に開発されている Jetpack の機能なら「プラグインが最新版の WordPress に対応して更新されているかわからないのでアップグレードできない」といった問題も減る、という考え方もできます。

このブログもかなり整理して、現在は9個のプラグインのみでやっていて、プラグイン自動更新で問題が起きたことは今のところありません。楽に、かつ安全に運用するというのはブログ維持に不可欠だと思いますので、Jetpack プラグインの機能を試してみていただけると嬉しいです。

他セッション

メガネさんのアップデートとバックアップについての発表資料はこちら。その他、清野くん・斎木さん・わだみのるさんのセッションがありました。

会場について

会場は新宿のハートビーツさん。とてもいい雰囲気のイベント会場でした。三浦さん、藤崎さん、ありがとうございました!

WordBench の告知など

WordBench Users、次回の開催についてはまた Doorkeeper の WordBench Tokyo コミュニティで更新される予定です。WordPress イベントカレンダーと合わせて今後もチェックしてみてください。

また、WordBench Tokyo の年末 LT 大会の方でも参加者、スピーカーを募集しています。12月18日、ピザとケーキとライトニングトークでぜひ盛り上がりましょう!

「多言語・翻訳ナイト Vol.1」に行ってきました。

昨晩、「多言語・翻訳ナイト Vol.1 @Tokyo ~ 翻訳サービス・多言語サイト運営者・開発者が集まって多言語メディアの今後について語らう夜」というイベントに行ってきました。西川さんの司会で4人の翻訳・多言語化サービスに関わる方々が登場し、個人的にとても興味のある分野の話が聞けました。

翻訳事業者・多言語メディア運用者

まずは、サイトエンジン株式会社の毛塚さんのお話。

ネイティブチェックのやきめ細かな現地文化への対応(フォント、訴求ポイント、コンテンツの方向性など)の重要性には本当にその通り!と思いました。少しずつ手をつけていくという具体的な手順にも納得。

翻訳クラウドソーシングサイト運営者

次に Conyac の山田さん。Conyac に対してはプロセスがかなり自動化された「クラウドソーシング翻訳」に特化したサービスという認識でいたのですが、今はプロジェクトマネジャーを採用して翻訳の品質向上を計ったり、バイリンガルユーザーにさまざまな仕事を依頼できる「Conyac Market」というサービスを全面に出しているようです。

Conyac 山田さん

Conyac 山田さん

担当者がいないネイティブのチェッカーが単発で必要な場合、こういったサービスを使うという選択肢もひとつなのかもしれません。翻訳者、というかバイリンガル技能者(?)とのマッチングを活かしたコンテンツ翻訳の最適化にはまだまだ発展の余地がありそうで、これからも楽しみです。

WordPress 多言語化プラグイン作者

「世界で最も使われている WordPress のコンタクトフォームプラグイン」である Contact Form 7 作者の三好さんが、彼が公開している多言語化用プラグイン Bogo の設計思想などにも触れつつ他の多言語化用プラグインとの違いについて話してくれました。

Bogo 三好さん

Bogo 三好さん

いわく、Bogo は言語情報をメタデータに持ち、言語のデータ化設計を正しくすることでなるべく他の「よけいなことはしない」。マルチサイトベースではないのも、ある程度カスタムコードを書く必要がある(必ずしも管理画面の UI だけで完結するわけではない)というのも、開発者・テーマ制作者という層が厚い WordPress ならではのユーザーのターゲッティングなのかなと思いました。

人力+機械翻訳ツール提供者

最後に八楽の坂西さん。三好さんがこちらのツール YarakuZen の Bogo 対応プラグインを作っているということを聞いて気になっていたのですが、今回のプレゼンを聞いてその概要がしっかり分かりました。

特徴は「各人専用の翻訳データベース」と「例文・辞書が一覧できる UI」。クラウド翻訳への依頼もできます。現在対応しているのは .docx / .xlsx / .pptx / .pdf / .html とのことですが、ちょっと試したところ今まで使ったことがある他サービスよりファイルフォーマットが翻訳文を邪魔しない感じがしてなかなか使いやすかったです。翻訳データベースの力を実感するために、しばらく無料プランで試してみようかなと思っています。

八楽株式会社さんは明日の WordCamp Tokyo でもスポンサーブースを出展予定とのこと。気になる方はそちらで話を聞いてみてください。

Yarakuzen の翻訳画面

Yarakuzen の翻訳画面(yarakuzen.com/features より)


これから東京オリンピック、インバウンドツーリズムの人気、企業の海外進出など WordPress サイトの多言語化も需要が高まってくると思います。こういったトピックに興味があって WordCamp Tokyo に参加する方は、Katz さんのセッション「The Best Practices of Making WordPress Site Multilingual (失敗しない! WordPress多言語サイト制作で絶対に知っておきたいこと)」も面白いと思います!

多言語・翻訳ナイトはまた開催されそうなので(東京以外かも?)、多言語団 Doorkeeper ページの「コミュニティに参加する」ボタンを押しておくといいかもしれません。

Jetpack 3.3 のセントラル・ダッシュボード対応で何ができるのか

この記事は WordPress.com の新ダッシュボード内投稿画面(https://wordpress.com/post)から書いています。


Jetpack 3.3 がリリースされ、WordPress.com のダッシュボードも「Jetpack Manage」と呼ばれる新機能に対応しました。このブログは WordPress.com のレンタルブログではなくインストール型のブログですが、新しいセントラル・ダッシュボードからの投稿も可能になったということで、そちらから投稿してみています。

この新ダッシュボードはこれまでの WordPress.com 投稿画面のコード(=ほぼオープンソース版 WordPress と共通)とは全く別のものとしてスクラッチから書かれています。6月のマット・マレンウェッグの東京講演で「これからの WordPress では新機能を実装する上で JavaScript がもっと重要になってくる」「モバイルへの対応が必須」というようなことが語られていたのを覚えている方もいるかもしれませんが、今回のリニューアルはその一例としても興味深いのではないでしょうか。

セントラル・ダッシュボードでできること

WordPress.com にログインすると、そのアカウントに連携しているすべての Jetpack サイトに対して以下のような操作ができるようになります。

  • 投稿・固定ページの作成や編集
  • プラグインの有効化・無効化
  • プラグインの更新
  • プラグインの自動更新設定
  • サイト設定(一般・投稿・ディスカッション)の編集
  • 統計情報の表示

(Jetpack サイトで JSON API を通じたリモート管理を有効化する必要があります)

投稿・ページの一元管理はかなり多くのサイトを持っている方には特に便利だと思いますが、プラグインを個別に自動更新設定できるのはひとつのサイトしか持っていなくても使える機能ですね。

WordPress.com/Plugins で以下のように更新が必要なプラグインがチェックできます。

現在のところまだコアやテーマの更新はできません。例えば WordPress 4.1 へのアップグレードは更新通知が表示されますが、実行するには通常の管理画面(wp-admin)にログインする必要があります。

Jetpack のこれから

現在の機能だけを見ると、既存の似たようなサイト一元管理用サービス(ManageWP、WPRemote、InfiniteWP など)よりはまだ少ない状態です。この先さらに充実する予定はあるようですが、今の段階ではまだ「無料でプラグイン更新関連の機能がすぐに使える」という点がポイントでしょうか。プラグインの更新が面倒で手をかけないサイトが増えてしまうことによるセキュリティリスクは高いので、まずはそこに着手したという形です。

Jetpack は「WordPress.com のパワフルな機能をインストール型 WordPress にも提供する」という Feature Parity(機能同等性)を目指して作られているプラグインです。どんなホスティングサービス上でも WordPress ユーザーがより安全に、簡単にサイトを運営できるようにするために解決すべき課題はたくさんありますが、今後もそれを実現するために前に進んでいくはずです。

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