2012年春の WordPress 本書評シリーズその3(その1その2)。続いて「WordPress 高速化&スマート運用必携ガイド」をレビューしてみます。

「WordPress 高速化&スマート運用必携ガイド」表紙
裏表紙を撮りたかったのでこの構図。

概要

まずは、論より証拠。以下のリンクをクリックして、サイト内のページをいくつか見てみてください。

HighSpeed WordPress

ページがすべて読み込まれるまでが、ものすごく速い!と思いませんか?これは Chapter 2 の冒頭で紹介されているサンプルブログですが、本の裏表紙にある「『WordPress だから遅い』なんてことはない。」というフレーズをまさに表しているといえるでしょう。

著者のこもりさんと岡本さんはこれまでに、gaspanik weblogdogmap.jp というブログでそれぞれ WordPress のスピードに対する誤解を解く記事を多数書かれています。「WordPress 高速化&スマート運用必携ガイド」はそのお二人の得意分野のノウハウがいっぱい詰まった本として、フロントエンド、プラグイン、サーバーサイドの高速化の方法がまとめられています。

あまりバージョンに依存した内容ではないので、他の書籍のように対応バージョンはとくに書かれていません。白黒269ページ。

内容

この本は、以下のような構成になっています。

Introduction: サイトの表示パフォーマンスがなぜ求められるか
検索エンジン対策、利用者の意識、閲覧回線やデバイスの多様化など、速いサイトを提供するための手法を知る重要性が高まっている理由が簡潔ながら説得力のある内容で説明されています。
Chapter 1: WordPress の特徴と改善のステップ
まずは PHP と MySQL で構成された動的サイトである WordPress の処理の仕組みや、そのスピードが遅くなってしまう原因を知ることができます。その後、書籍を通して進めていくパフォーマンス改善のステップをざっくりと理解できるでしょう。
Chapter 2: サイトパフォーマンス高速化とは
ここから、ツールを使って具体的にサイトを検査していきます。スピード計測のやり方、WordPress のボトルネックを探す方法が紹介されていて、実際に「高速化」を意味する比較テスト値などを見ることができます。
Chapter 3: プラグインを使わずにできること
「プラグインを少なくする」という究極の方法に始まり(これは、ほんとに大事です)、ボトルネックとしてよくあるケースを取り上げてその改善方法を紹介しています。WordPress のサイトだけではなく、速いサイトを作るための基本かつ重要なポイントが挙げられているので、すぐに活用できるはずです。
Chapter 4: プラグインを使ったパフォーマンス改善
世界中で最新トレンドを取り入れたプラグインが開発されている WordPress ならではの利点は、パフォーマンス改善のためのベストプラクティスも数クリックで導入できることにあります。ソースのフォーマットや、画像・データベースの最適化、キャッシュなど多方面からの高速化に役立つプラグインの使い方が詳しく読めます。
Chapter 5: VPS を使ってみよう
最近では提供業者や利用者からの情報共有も増えてきている VPS。ここでは共有サーバーとの違いに始まり、Apache、Nginx、PHP、MySQL、PHPMyAdmin の導入・設定方法、WordPress インストールまでの具体的なステップ、セキュリティなどについて気をつけるべきことを知ることができます。
Chapter 6: サーバーサイドで行うパフォーマンス改善
Expires ヘッダ、gzip 圧縮、Nginx のリバースプロキシ、PHP・MySQL のチューニングなど、サイトの一歩進んだ高速化のための手法が書かれています。共有サーバーの場合自分で変更できない設定などもありますが、最後のセクションにある CDN の導入などは誰でも試してみることができます。
「WordPress 高速化&スマート運用必携ガイド」
内部ページはこんな感じ。

WordPress に特化したサイト高速化の書籍というのは、おそらく世界でも初めてなのではないでしょうか。上級者向けの本でプラグインなどを使ったパフォーマンスなどに触れられていることはあっても、高速化のためのテスト手法や VPS への Nginx 導入手段まで説明したものはまだないと思います。国内でこうやって幅広いタイプの WordPress の本が出るようになったというのはおそらくそれほど利用者の裾野が広がったという事でもあると思うし、興味深いトレンドです。

こんな人におすすめ!

  • WordPress サイトの表示スピードを向上させたい
  • WordPress プラグインの使いどころや運用のこつを知りたい
  • フロントエンド・サーバーサイドのサイト高速化のための一般知識を実践的に学びたい
  • VPS で WordPress を始めてみたい

ワンクリックインストールで WordPress を入れたという人でも、この本を読めば高速化のプロセスの基本を知った上で比較的簡単に取り入れられる手法を見つけることができるはずです。後半で詳しく書かれている VPS をすぐに導入することはなくても、サーバー環境の概要などを知るのに役立つ情報になると思います。

WordPress を使ったサイト制作の経験を積む中で自分で気づくベスト・プラクティスもきっとたくさんあると思いますが、学びのきっかけとしてこういった本を手に取ってみるのも良いのでは。キーワードを頼りに自分で調べていくうちに、WordPress という CMS を支えるいろいろな技術の世界が見えてくるはずです。

関連リンク


こもりさん、岡本さん、ご献本どうもありがとうございました。この本を参考に、このサイトのスピードももっと上げられるよう精進したいと思います。

「WordPress 高速化&スマート運用必携ガイド」書評」への2件のフィードバック

  1. ご紹介ありがとうございます!

    ページの都合で、この本には載ってない Tips もまだモリモリありますよ。
    「『WordPress だから遅い』なんてことはない。」を合言葉に精進します。

    1. たのもしい!続編が出るくらいまで、WordPress をさらに盛り上げていかないとですねー 😀

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