「赤ちゃんと脳科学」で、育児で気になっていることがなんとなくスッキリした

娘はもう3歳も間近というのに、そういえば子育て関連の本についてブログで書くのは初めて。ちょうど自分の興味のある内容にハマった本があったのでご紹介します。

今、(実は)二人目を妊娠中ということで改めて新生児について興味がわいてきています。赤ちゃんと脳科学というこの本は2003年発行なのでそう新しくはないんですが、知らなかった・知りたかったことがたくさん詰まっていました。

著者の小西行郎氏は脳科学、発達行動学専門の小児科医。
「赤ちゃんは外部の働きかけに反応しているだけではなく、自発的に行動している」、「こどもの脳は、生きていくために必要な能力を取捨選択して適応しつつ成長している」といった科学的観察結果を元にした、胎教・三歳児神話・早期教育・多言語習得・テレビと育児、などのトピックについての考えが書かれています。個人的に気になっている内容ばかりで、次が気になってすいすい読んでしまいました。

全体を通して、科学に基づいた「自然で、普通」な育児を推奨していることに共感しました。

信じて、観察する

どちらかというと楽観的で悩まない方ですが、育児というのは初めてやることだし、一人の人生を大きく左右するかもしれないわけで、迷いが生まれることもあります。

次々と入ってくる育児情報に惑わされすぎることなく、こどもを信じて自分の考えにも自信を持つことが大事。そして、選んだ道が正しいのかどうかはこどもをよく観察すればわかるはず、ということを教えてくれた本でした。

あまり詳しく書いても私が伝えられることは限られるので、気になった方は手にとってみてください。

私の場合一人目がある程度大きくなって読んだ今のタイミングも悪くはなかったですが、胎児のことから書かれているので出産前の両親に特におすすめです!妊娠中に読んで不安を解消し、またしばらく経って振り返りながら読み直すときっと面白いはずです。

赤ちゃんと脳科学(小西 行郎)

Automattic について書かれた本「マイクロソフトを辞めて、オフィスのない会社で働いてみた」

Automattic や WordPress.com について書かれた本の日本語訳「マイクロソフトを辞めて、オフィスのない会社で働いてみた」を読んでみました。

Automattic の書籍

Automattic についての書籍の原著と日本語版

原著は「イノベーションの神話」、「アート・オブ・プロジェクトマネジメント」などを書いたスコット・バークンが2013年に出した、 “The Year Without Pants” というもの。日本語化にあたって内容がサクッと分かるタイトルに変更されていて、カバーのイラストもまったく雰囲気が違っています。原題よりも “The Future of Work” という副題が目立つレイアウトで、こちらの方がビジネス書として手に取りやすそうですね(赤いパンツの表紙は恥ずかしい!という声が社内でも少なからずありました…)。

スコットが Automattic で働いていたのは2010年からの1年半。ずいぶん変わった部分もありますが、その頃の会社の雰囲気を思い出しながら改めて懐かしく読みました。

一般向けの読みやすい翻訳

日本語で読むと「ワードプレス・ドットコム」とか「オートマティック」とか、見慣れた固有名詞がカタカナで書かれているのが新鮮!IT系ではない読み物らしい感じがして良いです。

その他日本語としてはあまり浸透していない横文字の用語が多くて翻訳者の衣田さんはきっと大変だったと思いますが、一般の方向けにも分かりやすくなるよう訳してあって読みやすかったです。2015年の現状に合わせてちゃんと訳注で補足されていたり、丁寧に説明されているなーと思う部分もたくさんありました。

ごく個人的な感想

社員という立場でこの本を読むと、ずいぶん赤裸々な内容だなと正直思います。別に会社として大失敗をやらかしたようなことが暴露されているわけではないですが、カオスな部分も未熟な部分も、そして重要なキーポイントまでまるごと書かれている。スコットは「信頼」というキーワードを本の中で何度も繰り返していますが、実際に彼と Automattic のマットやトニーの間にもそれがしっかり存在していたからこそ、この本が完成して世に出されたと言えます。

スコットが描写する細かい仕事内容なんかは、外部の人が読むにはやや詳しく書きすぎで本題から興味が逸れてしまわないかなと心配になったりもしましたが、WordPress.com の裏側を知りたいという方にはきっと面白いと思います。Jetpack プラグインが命名されてから誕生するまでの話もあって、こちらも他では読めない内容になっています。

Automattic Lounge

サンフランシスコにある Automattic のラウンジスペースも書籍の最後で少し紹介されています。SF 在住の数人はコワーキングスペース的に利用しているとか。

Automattic Meetup SF 2013

Automattic ラウンジで開かれた2013年の全社総会の様子。

「オフィスのない会社の働き方」のまとめは10個の箇条書きとして Amazon.co.jp の商品説明セクションでも読めます。テキストを使ったコミュニケーションや、チームの生産性を上げる方法など、リモートワークに限らず役に立つ部分も少なくないはずです。Automattic の採用している手法は WordPress.org のオープンソース活動の経験に基づいたことも少なくないので、参加者がボランティアで関わっているような仕事以外のプロジェクトをうまく進めるためにもヒントになると思います。

未来ではなくて現実

リモートワークが先進的な働き方といった感じで取り上げられることがここ数年は多くなりましたが、Automattic はすでに10年近くこのスタイルを続けています。この本を手に取れば、「遠い未来にそういうことが可能になるかもしれないな」と思うだけではなくて、「実際に今こういうことも可能なんだ」ということを実感できるのではないでしょうか。

在宅勤務を成功させるための万能薬はありませんが、それが必ず失敗するという誤解もまた事実ではありません。スコットが過ごした Automattic での日々をオープンにしたことで、リモートワークについての謎が少しは解けるはず。この本がきっかけで、抱えている問題を解決するために伝統的ではない働き方を選択してみようという会社が現れて、今よりもっと幸せに働ける人が増える社会が実現すればいいな、なんて思っています。

関連リンク

「プロが選ぶ WordPress 優良プラグイン事典」に寄稿しました

プロが選ぶ WordPress 優良プラグイン事典」が先日 MdN さんから発売されました。私もこの中で3つプラグイン紹介をさせてもらっています。

プロが選ぶ WordPress 優良プラグイン事典

この書籍のターゲットは、「WordPress のプラグインってたくさんあるし、似た機能のものも多くてどれから試していいのかわからない」という方や、「いろいろ使ってみたけど安定して使えるものにいまいち出会えていない」という方など。帯にも「安心・多機能・使いやすいプラグインを目的別にご紹介!」とあるとおり、ある程度ベーシックながら本当に定番的に使えるものを WordPress 情報サイト WP-D 寄稿者のうち17人で共同執筆したものです。たくさんの執筆者をまとめる必要があった代表大串さん、MdN 担当者の皆さんは大変だったと思いますが大変お世話になりました。

うち2つは WordPress 日本語版のデフォルト同梱プラグイン、そして2つは勤務先の Automattic からリリースされたプラグインなのですが、もちろんいずれも全力でおすすめできるものです。WordPress 歴が短い方などデフォルトプラグインで修正できる問題に困っている方の話も意外と聞いたりするので、あえて超定番のものも基本から説明しています。

Jetpack by WordPress.com

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レンタルブログ WordPress.com の便利な機能をまとめてプラグイン化した Jetpack。数多くのモジュールやまだ知られていないポイントなど書きたいこと満載だったのですが、スペースの都合もあり WordPress.com アカウントとの連携メインの説明となっています。書籍が出てからもどんどん進化を続けていますので、読んでいただけた方はこれをきっかけに触ってみてもらえるとうれしいです。

WP Multibyte Patch

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日本語で WordPress を使うなら欠かせないのが、WordPress 日本語チーム倉石さん作成であるデフォルト同梱の WP Multibyte Patch プラグイン。細かいところまで日本語環境のユーザーに合わせてカバーしてくれています。抜粋文字数など、設定ファイルを使って簡単にカスタマイズできる点もご紹介しています。

Akismet

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こちらも Automattic のプラグインであり世界中で配布されている WordPress コアパッケージに必ず含まれている Akismet。こちらも説明は基本設定がメインなのですが、有料アカウントでは安定性・スピードの面で優先的にスパムチェックを行ってくれることや、学習するエンジンを使っているので迷惑コメントは必ず「スパム」としてマークすることが重要であることなど、仕組みについても少し触れています。

コメント欄のあるサイト・ブログを運営している方にとっては何らかのスパム対策が必要になりますが、約8年間で755億件以上のスパムを退治してきた Akismet には私も長年お世話になっています(ちなみに、執筆時はこの数が650億だったのですがすでに100億件以上増えてますね〜)。


ということで、気になった方は書店などで手にとっていただければ幸いです。Kindle 版も公開されているようです(フルカラーなので、タブレットなどの Kindle アプリがおすすめ!)。

ところでこの書籍の監修となっている WP-D ブログですが、私も去年の終わりにたまたまきっかけがあり参加させてもらうことになりました。ブログ上では「覆面」ということになっているんですが、今後もたまに書いていく予定ですので何色の「覆面」か発見するつもりでこちらも読んでみてください。