日本時間で金曜の朝、”WordCamp Program and Guidelines AMA” いう WordCamp Foundation のアンドレア・ミドルトンが主催する Google Hangout がありました。今年1月から2月にかけて WordCamp 運営者向けに3回行われる初の試みで、今回はアジア・パシフィック向けの時間帯ということで、額賀さん、森山さんと一緒に参加してみました。
今回の参加者は私たちに加えオーストラリア・ニュージーランド・マイアミ・LA でそれぞれ WordCamp を計画している人たち。メモを取りながら聞いていたので、今年国内で WordCamp にスタッフとして参加することになる方の参考になるかと思い、抜粋して日本語に起こしてみます。
世界中で WordCamp が行われていて、ノウハウもたくさん集まっているとは思いますが、こうして直接やり取りしながら大事なポイントを伝えてもらうことで文章では見落としていることも拾えるというハングアウトならではのメリットがあると思います。
WordCamp の目的
最初にアンドレアが話した WordCamp というイベントの大きな3つの目的は以下のとおり。
- コミュニティの人々をつなげること。
- 人々が、新しいものを創造したくなるようインスパイアすること。
- WordPress プロジェクト全体にプラスになるようにこと。
WordCamp 企画立ち上げ時のベストプラクティス
- スタッフ参加をオープンにして、なるべくたくさんの協力者を集める(ボランティアという立場上、作業の分散化が好ましい。また、途中で優先しなくてはいけないことが起こる人もいるため)。
- 会場を決定させてから日にちを告知する(日にちを先に決定してもその通りに会場が押さえられないこともよくある)。
- 予算を組んだら公開して共有する(運営の透明度を高める・他の人が物資提供・割引など協力できる項目などに気づいてくれることがある)。
スポンサー後援・予算について
- 現在 WordCamp には「複数イベントスポンサーシッププログラム」というものがあり、世界中のイベントをスポンサーしてくれる企業が手を挙げている。
- WordPress Foundation への申請が済むと、地域によって適用されるスポンサーを教えてくれる(受け取るかどうかは自由に選択可能)。
- なるべく、イベントが行われる地域のスポンサーを探すことが推奨される。
- 予算に基づいて必要な分だけの金額を集められるようにすること。固定費用(会場など)と、来場者数によって変動する費用を見極めスポンサーパッケージレベルのバランスをとる。
- スポンサーパッケージの説明(スポンサー特典)は現実的なものにする。
- 予算は WordPress Foundation からの承認が必要。米国外のイベントの予算については Big Mac Index に基づいて調整した基準で審査される。
- 北米では WordCamp Foundation を法人団体としてイベントの資金を取り扱える。オーストラリアでは Linux Foundation が同様に協力する予定とのこと。
- 予算の使い道で迷ったら、WordCamp・ローカルコミュニティ・WordPress コミュニティ全体の3つのうち最低2つに有益な使い道かどうか?で決定する。
WordCamp サイトについて
- 過去に WordCamp のサイトとして立ちあげられたサイトがドメイン失効・ハッキング・スパム攻撃などできちんとしたイベントアーカイブとして使えなくなってしまったことが多々あったため、現在は WordCamp.org ドメイン上のマルチサイトのみでサイト作成が可能になっている。
- メンテナンス上の理由により CSS のみでカスタマイズ可能。
- どうしても必要な機能があれば、ウィジェットやテーマ変更などのコードを WordCamp の開発者にレビューしてもらい追加してもらうことも可能。
- セキュリティ面を考慮して iframe / JavaScrpit は使用不可。
- カスタム投稿タイプの項目としてスピーカー、スポンサー、運営者(スタッフ)、セッションを追加できる。
- これらのカスタム投稿タイプを使うことで、WordCamp 全体のスピーカー数やセッション数集計に反映される。
- 近々こういったスピーカーや参加者情報などが WordPress.org プロフィールのアクティビティストリームにも表示される予定。
- Camptix プラグインは Paypal のみ利用できたが、ゲートウェイプラグインを書くことによりブラジルや南アフリカで地域の標準課金システムに対応。
- Camptix にはスピーカーやスポンサー向けに使える予約チケットやクーポン機能、セルフサービス返金機能も追加された。
スピーカー選定について
- ローカルイベントとして、できるだけその地域のスピーカーを発掘・後押しすること。
- 基本的にそのトピックについて話せる人が地域にいる場合、遠くから有名ゲストを呼ぶ必要はない。
- スピーカー(スポンサー、スタッフなど関係者全員も)は決定の前に WordPress のライセンスや商標に違反していないことを確認する書類を読む必要がある。
- セールスピッチ的な内容ではなく、来場者が学んだりインスピレーションを受けられるものが好ましい。
- WordPress に関係なさすぎる内容は避ける。
- イベントでの行動規範を確立してスタッフで共有する。万が一何かが起こった時のため、緊急連絡先を明らかにしておく。
動画について
- アーカイブとして動画を公開するよう推奨。
- WordCamp Foundation では北米・ヨーロッパなどで機材の貸出や技術サポートも行なっている。
- ライブストリーミングを行う場合、会場に来られない人のための Camptix で有料の鑑賞用チケットを販売することもできる。
Hangout 動画
今回の Hangout の保存動画はこちらで公開されています。
WordCamp / WordPress イベントについての世界での動きは make.wordpress.org/community で追うことができます。IRC チャットやハングアウトの予定もこちらで告知されているので、興味がある方はチェックしてみてください。
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