WordPress Foundation の寄付情報入力画面

WordPress.org へ寄付をする方法

WordPress.org へ寄付を送りたい場合にはどうすればいいのか、質問されたのでブログにも書いておきます。

現在 WordPress オープンソースプロジェクトへの寄付を受け付けているのは WordPress Foundation サイト内の Donate というページになります。
ちなみに、以前は WordPress.org のサイトにも寄付のページがあったのですが、現在その wordpress.org/donate は上記の WordPress Foundation のページにリダイレクトされています。

WordPress Foundation の寄付画面

毎年定額、または1回のみの任意の額が選べます。このページ上の送金方法はクレジットカードのみとなっていますので、ご注意ください。

WordPress Foundation の寄付情報入力画面

(こういう場合のローマ字での記載住所をどう入力したらいいかわからない!という方は、JuDress という日本語住所を英語表記に変換するサービスを参考にするのをおすすめです)

寄付の使われ方

Donate ページによると、寄付は以下のような用途に使われるそうです。

  • 各種プロジェクトに誰でもアクセスできるようにするための活動
  • WordPress 商標の保護
  • その他のプログラム。例えば以下のようなもの。
    • WordCamp や meetup グループでのプレゼン動画撮影
    • オープンソースが活発でない地域での「オープンソース入門」ワークショップ開催
    • 非営利団体向けにボランティアが無料でサイトを構築するチャリティハッカソン
    • WordPress の使い方、開発方法の対面または動画ワークショップ
    • WordPress やオープンソース開発に興味をもってもらうための学校でのメンターシップ
    • WordPress の使い方、開発方法のドキュメンテーション改善

WordPress Foundation は「501(c)(3) 団体」という区分に属している免税の非営利団体です。過去の会計情報は、Financials ページで読むことができます。

WordPress.org / WordPress.com / Automattic ロゴ

WordPress / Automattic / WordPress.com の違いとは。

ここ最近、WordPress / WordPress.com、それから Automattic / WordPress.org コミュニティ、というそれぞれについて事実と異なる認識がよく存在するのを意識する出来事が何度かあったので、その誤解を解ければと思い改めて記事にしてみます。

WordPress.org / WordPress.com / Automattic ロゴ

基本的な違い

WordPress」とは、「オープンソース・ソフトウェア WordPress」のことを呼ぶ際に使われます。これは、WordPress.org から誰でも無料でダウンロードしてインストールできるソフトウェアのパッケージです。開発しているのはボランティアとして参加している貢献者のコミュニティです。

私が勤めている会社 Automattic のプロダクトは、「WordPress.com」です。これは、いわゆる SaaS 型「レンタルブログサービス」。一企業がオープンソースソフトウェアをベースに開発・提供する、Web サービスとしてのブログ・サイト作成プラットフォームです。無料プランと有料アップグレードプランが存在します。

よくある誤解の例と正しい事実

  • 「WordPress 開発元の Automattic」
  • 「WordPress.com 開発・運営元の Automattic」
  • 「WordPress は Automattic のプロダクト」
  • 「WordPress というプロダクトの著作権は貢献者全員のものであり、商標を保有しているのは WordPress Foundation である」

WordPress をダウンロードするとパッケージに含まれる license.txt には、”Copyright 2015 by the contributors” と書かれています。

  • マット・マレンウェッグは WordPress というスタートアップ企業を始めた人」
  • 「マット・マレンウェッグは WordPress という OSS プロジェクトと Automattic という企業を始めた人」

「WordPress」という会社はなく、「WordPress で働いている」人もいません。ただし、それぞれが所属する会社の業務の一部として(開発を含む)WordPress コミュニティへの貢献をしている人たちは Automattic 社員も含めてたくさんいます。

WordPress オープンソース開発のポータル、make.wordpress.org。

WordPress オープンソース開発のポータル、make.wordpress.org

企業である Automattic の本社はサンフランシスコにあり、社員が通うオフィスではなく「ラウンジ」というイベントスペース的建物が存在します。していました(参照: Automattic が(本当に)オフィスを廃止した理由)。

Automattic ラウンジ外観

サンフランシスコの Automattic ラウンジ

ロゴの違い

WordPress と WordPress.com のロゴには違いがあります。

WordPress.org ロゴ

オープンソース版では丸に囲まれた「W」の外側にさらに細い縁取りをしたマークがおなじみです。ロゴタイプには、Mrs. Eaves というセリフフォントが使われています。

WordPress.com ロゴ

一方、WordPress.com では外側に追加の縁取りがないマークを使っています。以前はロゴタイプのフォントもオープンソース版と同じだったのですが、2013年に Open Sans が採用されました。

配色の違い

WordPress.org 配色ガイド

オープンソース版 WordPress では、ソフトウェアの管理画面や公式サイトの基本色は濃いめのブルーやオレンジ、グレーとなっています。

WodPress.com カラーパレット

一方 WordPress.com のメインカラーもブルーですが、少し彩度が高くモダンな感じの印象。オレンジ、グレー、その他の差し色も用意されていて、新ダッシュボードで使われています。

それぞれのロゴ・配色などのスタイルガイドは以下で公開されています。用途に応じて、正しく使っていただければと思います。

WordPress.org » Logos and Graphics

Colors – Make WordPress Design (WordPress.org)

WordPress.com Design Handbook

混乱のもととなる原因と、解決方法

そもそも、誤解されてしまうのも仕方ないとは個人的には思ってます。なんといっても、WordPress / WordPress.com という呼び方がややこしい!自己紹介するときなど、所属会社とコミュニティの違いなどを説明しつつ「ややこしくてすいません…」と正直思っています?

また、WordPress も WordPress.com も、そして Automattic も WordPress Foundation も創始者はすべて同じ人。あえて非営利・営利団体としての活動を分けるためにそれぞれを作ったという背景がありますが、これもきっと混乱を招く理由のひとつとなってしまっているのでしょう。

WordPress.com の名称を変えるという案も話し合われたことはあったようですが、ブログのドメインの一部になっていることもあり実現には至りませんでした。今後も、根気よく誤解を解いていくのが残された道なのかなとは思います。分からないことがあればいつでも聞いてください!

関連リンク

WordCamp 運営者向け、イベントガイドライン Hangout のメモ

日本時間で金曜の朝、”WordCamp Program and Guidelines AMA” いう WordCamp Foundation のアンドレア・ミドルトンが主催する Google Hangout がありました。今年1月から2月にかけて WordCamp 運営者向けに3回行われる初の試みで、今回はアジア・パシフィック向けの時間帯ということで、額賀さん森山さんと一緒に参加してみました。

Google Hangouts

今回の参加者は私たちに加えオーストラリア・ニュージーランド・マイアミ・LA でそれぞれ WordCamp を計画している人たち。メモを取りながら聞いていたので、今年国内で WordCamp にスタッフとして参加することになる方の参考になるかと思い、抜粋して日本語に起こしてみます。

世界中で WordCamp が行われていて、ノウハウもたくさん集まっているとは思いますが、こうして直接やり取りしながら大事なポイントを伝えてもらうことで文章では見落としていることも拾えるというハングアウトならではのメリットがあると思います。

WordCamp の目的

最初にアンドレアが話した WordCamp というイベントの大きな3つの目的は以下のとおり。

  • コミュニティの人々をつなげること。
  • 人々が、新しいものを創造したくなるようインスパイアすること。
  • WordPress プロジェクト全体にプラスになるようにこと。

WordCamp 企画立ち上げ時のベストプラクティス

  • スタッフ参加をオープンにして、なるべくたくさんの協力者を集める(ボランティアという立場上、作業の分散化が好ましい。また、途中で優先しなくてはいけないことが起こる人もいるため)。
  • 会場を決定させてから日にちを告知する(日にちを先に決定してもその通りに会場が押さえられないこともよくある)。
  • 予算を組んだら公開して共有する(運営の透明度を高める・他の人が物資提供・割引など協力できる項目などに気づいてくれることがある)。

スポンサー後援・予算について

  • 現在 WordCamp には「複数イベントスポンサーシッププログラム」というものがあり、世界中のイベントをスポンサーしてくれる企業が手を挙げている。
  • WordPress Foundation への申請が済むと、地域によって適用されるスポンサーを教えてくれる(受け取るかどうかは自由に選択可能)。
  • なるべく、イベントが行われる地域のスポンサーを探すことが推奨される。
  • 予算に基づいて必要な分だけの金額を集められるようにすること。固定費用(会場など)と、来場者数によって変動する費用を見極めスポンサーパッケージレベルのバランスをとる。
  • スポンサーパッケージの説明(スポンサー特典)は現実的なものにする。
  • 予算は WordPress Foundation からの承認が必要。米国外のイベントの予算については Big Mac Index に基づいて調整した基準で審査される。
  • 北米では WordCamp Foundation を法人団体としてイベントの資金を取り扱える。オーストラリアでは Linux Foundation が同様に協力する予定とのこと。
  • 予算の使い道で迷ったら、WordCamp・ローカルコミュニティ・WordPress コミュニティ全体の3つのうち最低2つに有益な使い道かどうか?で決定する。

WordCamp サイトについて

  • 過去に WordCamp のサイトとして立ちあげられたサイトがドメイン失効・ハッキング・スパム攻撃などできちんとしたイベントアーカイブとして使えなくなってしまったことが多々あったため、現在は WordCamp.org ドメイン上のマルチサイトのみでサイト作成が可能になっている。
  • メンテナンス上の理由により CSS のみでカスタマイズ可能。
  • どうしても必要な機能があれば、ウィジェットやテーマ変更などのコードを WordCamp の開発者にレビューしてもらい追加してもらうことも可能。
  • セキュリティ面を考慮して iframe / JavaScrpit は使用不可。
  • カスタム投稿タイプの項目としてスピーカー、スポンサー、運営者(スタッフ)、セッションを追加できる。
  • これらのカスタム投稿タイプを使うことで、WordCamp 全体のスピーカー数やセッション数集計に反映される。
  • 近々こういったスピーカーや参加者情報などが WordPress.org プロフィールのアクティビティストリームにも表示される予定。
  • Camptix プラグインは Paypal のみ利用できたが、ゲートウェイプラグインを書くことによりブラジル南アフリカで地域の標準課金システムに対応。
  • Camptix にはスピーカーやスポンサー向けに使える予約チケットやクーポン機能、セルフサービス返金機能も追加された。

スピーカー選定について

  • ローカルイベントとして、できるだけその地域のスピーカーを発掘・後押しすること。
  • 基本的にそのトピックについて話せる人が地域にいる場合、遠くから有名ゲストを呼ぶ必要はない。
  • スピーカー(スポンサー、スタッフなど関係者全員も)は決定の前に WordPress のライセンスや商標に違反していないことを確認する書類を読む必要がある。
  • セールスピッチ的な内容ではなく、来場者が学んだりインスピレーションを受けられるものが好ましい。
  • WordPress に関係なさすぎる内容は避ける。
  • イベントでの行動規範を確立してスタッフで共有する。万が一何かが起こった時のため、緊急連絡先を明らかにしておく。

動画について

  • アーカイブとして動画を公開するよう推奨。
  • WordCamp Foundation では北米・ヨーロッパなどで機材の貸出や技術サポートも行なっている。
  • ライブストリーミングを行う場合、会場に来られない人のための Camptix で有料の鑑賞用チケットを販売することもできる。

Hangout 動画

今回の Hangout の保存動画はこちらで公開されています。

WordCamp / WordPress イベントについての世界での動きは make.wordpress.org/community で追うことができます。IRC チャットやハングアウトの予定もこちらで告知されているので、興味がある方はチェックしてみてください。