もうちょっと早く書きたかったんですがばたばたしてたもので今頃。先週のニュースです。
WordPress.comのAutomattic社は、WordPress MUをソーシャルネットワーク(SNS)として活用するためのプラグイン「BuddyPress」を開発したAndy Peatling氏を採用したそうです。Photo Matt » Backing BuddyPress
BuddyPressはもともとWordPress MU(マルチユーザー用WP)のプラグインとして作られていたのですが、これからMUプラグインとして開発を強化していくのに加え、MUがベースであるWordPress.comへの導入を考えているのでしょう。
最近日本ではMixiの規約改正が話題になったりしてますが、SNSサービスはますますユーザーのコンテンツ自体に価値を見いだしていく方向になりそうですよね。それも、コンテンツ解析をもとにした広告や記事の再配信など、ユーザーにとっては嬉しいことばかりではないかもしれない。
しかしAutomatticが行こうとしているのはちょっと違った方向のよう。SNSサービスの「閉じられたお庭」で遊ぶんじゃなく、ブログという自分のメディアを持ったユーザーたちが互いのブログをつなげることでオープンなSNSのプラットフォームをパズルのように作り上げていこう、といったことを考えているようです。
TechCrunchのTechCrunch Japanese: WordPressはソーシャルネットワークという記事から、Mattのインタビュー発言。
いつの日か、きっと、本当の意味のフリーでオープンなソースが、今のソーシャルの世界を支配しているクローズドで「APIだけがオープン」なプラットホームに代わるものとして現れるだろう。
世界にこれ以上ソーシャルネットワークは必要ない。必要なのは、自分のデータを所有できて、オープン標準によって繋ぐことのできるたくさんのネットワークだ。
そうなんですよね。OpenIDやOpenSocialみたいなAPIを使ったSNSは徹底的にクローズドでしかないものと比べるといい傾向ではあります。でもそんなふうに大きなシステムをAPIでつなぐかわりに、小さく、オープンなツールであるブログが大きなシステムにプラグインできるようになっていくという形のほうがユーザーには嬉しい状況なんじゃないかなと。
そのためには、WordPress.comが「閉じられたお庭」になってしまわないことも大事。将来的にWordPress.comブログがBuddyPressでつなげられたとしても、データをほぼ完全にエクスポートしてインストール型WordPress/自分で作ったWordPress MU SNSにも移行できると言う状態は保って欲しいと思います。
関連記事:
- Rauru Blog » BuddyPress
BuddyPressをMUにインストールしたら…まともに動かなかった 🙁 というお話。ソーシャルWordPressは将来はこんなふうになる?というPDFリンクがー。 - 秋元@サイボウズラボ・プログラマー・ブログ: WordPress用SNSプラグインBuddyPressの作者がAutomaticに合流
「無料ブログとブログツールで過去に起こってきたことが、SNSやmicrobloggingについても進んでいくとしたら、自分でオープンソースをインストールして運用する自分のような層にとっては嬉しい」というのには納得。レンタルブログもなくならないようにSNSはなくならないにしても、他のオープンな選択肢もあるとうれしい。 - ReadWriteWeb: WordPress Social Networks – I’ll Take a Distributed One, Please
AutomatticのBuddyPress開発が本当の意味でオープンであり続けるかどうか、ちゃんと見極めていくべき。と。確かに。
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