「WordPress、有料テーマの販売サイトを構築」というニュースがアルゼンチンで開かれたWordCampで公表されました(リンク先はブログヘラルド日本語版)。

サイトの立ち上げ日程などの詳細はまだ不明ですが、簡単に言えば、このマーケットプレイスの仕組みは「WordPress.comを通してテーマを販売することで、50%の利益が得られる」というもの。

それってそんなにたいしたことなの?と思われるかもしれませんが、ユーザー数を考えてみてください。例えば、現在いる約173万人のユーザーのうち、0.1%(1730人)に、10ドルのテーマを販売した場合…

(1730,000人 x 0.1% x $10) x 50% = $8,650(約100万円)

値段は自由につけられるようになるとのことで、この計算式にはいろんなケースが考えられます。

「個人ブログをやってる人たちが、そんなにテーマを購入するのかな?」とか、「無料テーマがあるサービスもあるのに、わざわざWordPress.comで有料テーマを使うかな?」いう疑問は残りますが、値段設定によっては数%〜数10%のユーザーが購入する人気テーマが出てくることも、あり得ない話ではないと思います。テーマデザイナーのモチベーションがあがることで、今よりも高品質のテーマが揃うことも考えられます。

オープンソースのWordPressをもとにしたWordPress.comでこういったサイトを立ち上げることに関して、議論が広まることは間違いないでしょう。すでに、ブログヘラルドでも「WordPressのテーマ販売サイトに反対」といった記事が書かれていたり、Mattの記事のコメント欄(英語)でもさまざまな意見が飛び交っています。

「半分もの利益をAutomatticが独り占めしてしまうのはずるいんじゃない?」という声もありますが(確かに利益率すごく高いなぁ、とは思いました)、それだけのユーザーが集まる場を提供するブログサービス運営者が他にいるのなら、その人にも可能なわけなので、独占と言い切るのはちょっと微妙。

個人的には…公正でコミュニティ(開発者、ユーザー)全体のことを考えたルールに基づいたものなら、「商業化」自体は、悪いことだとは思いません。私自身もテーマを配布しているのですが、残念ながら本業としてではなくまったくのボランティア行為である以上、費やせる時間は限られているし、最高のレベルでサポートができているとはどう考えても言いがたい。それを改善するきっかけになるのなら、「高品質で低価格のテーマが手に入る」という状態は、今よりもいいことなのかもしれません。テーマを作って配布すること自体はそんなに大変とはいえないですが、バージョンアップに伴うアップデートや細かいサポートは正直、けっこうつらいものがあるので…。これはもちろんプラグインに関しても言えますし、WordPress MEやリソースの日本語化に深く関わっている皆さんの労力に比べたら私の悲鳴などほんとに微々たるものだと思いますが、きっとこう思っているテーマ作成者は多いはず。その問題を認識し、解決のためのインセンティブを用意しようとしているのは前向きなのではないでしょうか。

心配なのは、幅広いユーザーが気軽に使えるサービスであるWordPress.comが、お金がなければ楽しめないものになってしまうのか?インストール型も含め、無料テーマが手に入りにくくなってしまうのか?というあたりです。テーマ作成者にとっても、ユーザーにとっても、喜ばしい状況に持っていけるのかどうか。これは今までのどんな有料機能追加よりも、Automatticの運営手腕の見せどころになるような気がします。

WordPress開発陣やAutomatticのやることに基本的に好意的な私が言うことなので、本当に偏った意見として差し引いて聞いてもらいたいのですが…。このアイデアに限らず、実際やってみて失敗ということももちろんあり得るんですよね。でも失敗や批判を恐れないからこそ、できることもある。前例がないからこそ、やってみる価値がある。そこがWordPressの魅力であり、危なっかしいところではありますが、私は彼らの挑戦が成功することを信じてみたいと思うのです。

WordPress.comテーマ販売サイト「マーケットプレイス」の話題」への1件のフィードバック

コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

Back to Top
%d人のブロガーが「いいね」をつけました。