有料デジタルコンテンツについてのリソースサイトが主催のカンファレンス、paidContent 2012が昨日ニューヨークで開かれていました。テクノロジー&ビジネスニュースブログ GigaOm も共催していたこのイベントでは、電子書籍・動画・ソーシャル・モバイルなど、コンテンツビジネスの最新トレンドを扱ったセッションが多数行われていたようです。

この中で、WordPress/Automattic 創始者マット・マレンウェッグと、Six Apart 社の一人目の従業員(現在は退職)であった有名ブロガー、アニール・ダッシュ氏の対談がありました。

アニールダッシュとマット・マレンウェッグの対談

paidContent のレポート記事では、マットの WordPress に対するこれからのビジョンが語られています。自身のブログでも、

WordPress はブログツールから始まり、 CMS への変容を遂げてきた。さらに、アプリケーションプラットフォームにもなろうとしてる(これは3割くらい達成している感じだと思う)。4段階目としてソーシャルやモバイルとの連携も深めている最中で、今はちょうどこの進化の中にいる。

これまでのどの進化の段階でも、すでに確立された大きな競争相手が存在していた。でもこれはいいことで、他がすでにやってきたことから学ぶことができるし、競争はもっと良いものを作っていくモチベーションになる。「WordPress は CMS じゃない」と今も言っている人がいるみたいに、最初はみんなが変化には気づかないかもしれないけどね。

と、これまでの路線変更(ピボット)のように WordPress がトレンドやユーザーの使い方に合わせて変わっていくツールであることを強調していました。具体的な答えはまだないとしつつも、赤ちゃんからお年寄りまで使えるタブレットデバイス上でも「パブリッシングの民主化」というゴールを達成していくためには、現在のダッシュボード上のエクスペリエンスとはまったく違うものが必要だと思っているとのことです。

レスポンシブスタイルシートがどうとか、徐々に UX を改善していくこととか、そういうことじゃない。今やっていることを徹底的にシンプルにして、wp-admin の枠にとらわれずに考えること(“thinking outside the box of wp-admin”)が必要なんだ。

「WordPress は5月27日に9歳を迎えるけど、来年10歳の誕生日にはもっと簡単ですばやくなっているはず」とのこと。こうして振り返ってみると分かりますが、WordPress は「最高のブログツール」「最高の CMS」になること自体を究極の目的にしてきているわけではありません。ただひとつ変わらないのが、単に誰でも自由に意見を公開し、多くの人と共有できるための手段の提供を目指しているということです。

この9年間、技術も人々のツールの使い方も大きく変わってきています。これからモバイルはますます大事な要素になっていくでしょう。しかし WordPress の進化は「最高のモバイルブログ/CMS」をゴールとするのではなく、「オンラインで自分のスペースを持ち、情報を自由に共有できるようにする」という基本的な方向性に変わらず向かっていくのだろう、とこの対談について読んで感じました。その先にあるシンプルで本当に誰にでも使いやすいツールに、少しでも貢献していければと改めて思います。

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追記。

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