WordPress と Movable Type は敵対すべきか?

先日TechCrunchで、Six Apart、Wordpressユーザーに乗り換えを進める―Wordpress怒るという記事がありましたが、いまだにWordPressとMovable Typeは敵同士、みたいな目で見られてるんですよねぇ。というかWPとMTの当事者自体がそう見ているのはこの一件からいっても分かるし、Anilのブログ記事でも敵対心が見え隠れするコメントを残しているWordPressユーザー&開発者がちらほら。

「WordPressの良くないところをあげつらって自分の製品を売り込むのはずるい」とかWP側が言ったりしてますが、それはどうなのかな。お互い建設的に意見を出し合って、足りない部分を良くしていくことがユーザーのためなんだから、逆にWordPressもMovable Typeのマーケティング姿勢に文句を付けるのって誰にも何の得にもならないと思う。MattのTwitter発言は失言だったのではないかと私は思います。

そんな中、「喧嘩してるのを見るのはなんかイヤだったので、MovableType から WordPress への移行の仕方を調べてみました。」と言う書き出しでgreenplasticのyosshiさんがMovableType から WordPress へのエントリーの移行という記事を書かれています(お疲れさまです!)。

これを見ると、Movable Typeからの移行は「インポーターがあるかららくちん」と言うわけでもないことが分かります。WordPressとMovable Type両方に必要なのは、敵対することじゃなくて、相互ポータビリティを向上するために改善を続けることじゃないかなぁ。そうするためには協力が必要になってくるだろうし、いがみ合っている場合じゃないですよ。

TechCrunchの記事はこう締められています。

はっきりしているのは、どちらのプラットフォームも完全ではないということだ。どちらもブロガーに相当の手間をかけさせている。両社とも次世代プラットフォームに注目していた方がよい。やがてどちらもこういう製品に食われてしまうかもしれない。

先日SXSW(テキサスで開かれたカンファレンス)に参加した元同僚は、「新しくて面白いアプリやサービスの話であふれてたよ」と話してましたが、WordPressも今の立場に満足せず、よりよい製品になる努力を続けない限り、Movable TypeからWordPressへのマイグレーションが起こった数年前のようなことにもなりかねないのでは?と思ったりもします。

WPもMTもすばらしい製品だと思うので、いい意味のライバルとして両方が成長していってくれるのがユーザーとしての願いです。がんばれー!


Comments

“WordPress と Movable Type は敵対すべきか?” への6件のフィードバック

  1. Naoさん、ご無沙汰してます。
    敵対してごたごたするのは残念ですけど、それでこんなに双方のコミュニティーが騒がしくなるってことは、それだけMTもWPも大きな存在になってるって事でしょうね。
    確かに、双方からインポート、エクスポートするのは大変そうだと思います。WP=>WPでも一仕事ですからねぇ。記事、コメント、TB・PB、カテゴリ、時、・・・、そこらへんのつくりは一緒なんだから、なにかスタンダードなフォーマットを、話し合って作れないもんでしょうか?
    TechCrunchの締めくくりの通り、弱者から強者になった2強が、いがみ合ってる間に、次の弱者けり落とされるかもしれませんね。特にアメリカはイキのいい、新しいサービスが次々と出てくるし。
    PS.SXSW、今年は参加されなかったんですね~。

  2. @Toruさん

    >なにかスタンダードなフォーマットを、話し合って作れないもんでしょうか?
    私もまさにそういう思いでこの文を書きました。MT/WPに限らず、マイクロブログなどのパブリッシングシステムのエクスポート&インポートフォーマットをhAtomとかを使って標準化するしくみがデフォルトであるといいですよね。あとURLの互換性とか。
    どうせ戦うなら、データをどちらにもすぐ移せる状態でツールの善し悪しをユーザーに決めてもらうために技術の面で戦って欲しいですね。

  3. 一昨年、CSS-Nite の二次会が始まる前、会場の外で、私は Nao さんの足をお止めして立ち話で話し込んでおりました。そのときのことです。

    国内で Movable Type の技術の普及に先頭を切って走っている方の一人が、( Nao さんがまだ会場に姿を現さないということで)心配そうに迎えに来られたことがじつは未だに印象的です。

    ほんのつかの間のエピソードですが、私にとっては、立場を超えた真の技術者同士の交流のシンボルのような掛け替えのない体験として、今でもときおり鮮明に思い出します。

    去年、その彼には私の勉強会にもゲストとしてお越し頂く機会がありました。Nao さんもご指摘されていますように、技術者としてどこまでもひたむきに付加価値の高いものを求めてやまない姿勢が彼にはありますし、またMTとかWPとかの立場を超えて、技術者としての Nao さんに大切に接している彼の姿がボクにはとても印象的です。

    そんなこともあって、ボクの業務サイトはMT、個人ブログはWPで、どちらも中途半端に足踏みしています。少し蛇足でした。。(^^;

    PS.
    Nao さんの新しい図書は待望の一冊です。書くところが違いますけれど、この場にて歓喜のメッセージとさせて頂きます。

  4. @Ghichiさん

    実は「彼」こそが私がブログを始めたきっかけを与えてくれた方なんですよ 🙂 彼がいなければ今の自分はあり得ないと思うし、個人的にも尊敬しているのもあって、敵対ということは考えられないですねー。

    Six Apart Japanの努力によってMTが本格的に日本でも普及し、ブログがこれほど広まるベースが作られたとも言え、彼をはじめとしたチームの功績は大きいと思います(日本でのWordPressの普及もそれにたくさん恩恵を受けているし)。

    そうやって言うだけではなくて、この記事で書いたような協業を、日本語圏がリードを取っていくのも大切かもしれませんね。

    中途半端と言わず、Ghichiさんのように両方使っている人でしか見えないこともたくさんあると思いますよ!私もMTも勉強しなくては、です。

    色々と気づかせてくださって、どうもありがとうございます!

  5. ※Naoさん、ご無沙汰かつお久しぶりです!
    2008年はトンデモナイ年になりましたが、あけおめです。
    さて、上記エントリーに完全に同意したいです。
    以前、イントラブログでMTを勧めている担当者と話したこ
    ともありますが、むしろ、問題はMT側にあると思いますね。
    有償ライセンス【商用】への評判の悪さからMTOSという
    オープンソース版を出したり、MT側の努力は涙ぐましいもの
    がありますね。(笑)
    私も最新のMTをイジったりはしましたが、ローカル環境で
    の構築のしにくさなど、まだまだperl/CGI系の弱点は克服さ
    れていないようで、またまたWPに戻りました。(爆)
    WPもMTも”CMS”として、ユーザーに優しい(!?)更新ソフ
    トという認識が定着してきて、WEBデザインと言うよりも一
    種の”アーキテクト”に近くなってきました。
    マーケティング上でも、リアル店舗に続く”第二の”メディ
    アと位置づけられ、そして、動画との”クロスメディア”を意
    識せざるを得ない状況になってきて、WEB2.0の体現という
    意味でも、ますますブログCMSとしてのWPへの注目度は高
    まっていくと思います。
    ※携帯電話にようやく”MNP”【MyNumberPortability】が
    導入されたように、ブログの世界でも”MBP”【MyBlogPortabilty】や”MDP”【MyDomainPortability】が必要になってきた…ということの裏返しでしょう!?
    《サーバー構築技術》とその運用ノウハウなどが、これか
    らますます見直されていくのではないでしょうか!?
    2011年の「完全地デジ化」以降後、このことがもっと明確
    に認識されるんだろう…とは思いますが。
    今後のご活躍に期待します。
    ※『レガシーWEB/Blogサイトのクールなリニューアル本』
    みたいなのを出版して下さいよ~!

    1. NEONさん
      ありえないくらい遅レスで申しわけありません…。コメントを頂いていたのにすっかり見落としていました(新しい管理画面になって気づきました!)。

      そうですね、WordPressの開発チームは単なるブログ(パーソナルパブリッシング)として終わらず、今ある問題と将来起こりうる問題に取り組んでいっている姿勢が良いな〜と思います。もちろんWPだけがそうやっているわけではないんですけど、WPはそれを強く感じるので、これから先を考えても安心して使えるというか。
      例えばオープンソースという体制も、たぶんそういった根本的なことを理解した上でやっているのであって、その点で魅力を感じています。

      確かにHTMLサイトをスマートにCMSに生まれ変わらせるノウハウなんていうのは面白い内容ですね〜。他のCMS関係者の方達とも話してみたいとおもいます 😀

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