ケンタッキー旅行記その2:バッファロー・トレース蒸留所

Buffalo Trace Signケンタッキー旅行記その1:バーボントレイルの続きです。

まず最初に行った蒸留所は、ケンタッキー州の州都FrankfortのダウンタウンそばにあるBuffalo Trace(バッファロー・トレース)というところ。この名前がつく前は「Ancient Age蒸留所」として知られていましたが、1999年に改装・改名されたらしいです。ここでは蒸留所名と同じ「Buffalo Trace」という主力商品のバーボンの他にも、「Eagle Rare」や「Blanton’s」など数種類のバーボン、「Rain」というウォッカなども作っています。

この敷地でのバーボン作りには220年近くの歴史があるとか。最初は「ウイスキー反乱」の後に移住してきた人々によって始められ、19世紀半ばまでは小規模な蒸留が行われていました。その後、世界初の蒸気動力や貯蔵庫の気温制御を導入し、アメリカのトップクラスをバーボンを生産する蒸留所として知られるようになります。

さらに、1920~33年の禁酒法の間も、薬用としてのアルコール生産を認められていた、国で4つしかない蒸留所の1つだったという貴重な歴史もあります。長年の間にオーナーや名前が何度も変わっていますが、現在の「バッファロー・トレース」ブランドが確立してからはイギリスの雑誌ウイスキー・マガジンによって「2005年のNo.1蒸留所」に選ばれるなど、だんだんと有名になってきているようです。そのほかにも個別のお酒に対して同マガジンやモルト・アドヴォケート・マガジンなどから数々の賞を受賞しています。

Warehouse Cここでのツアーは私たち以外にジョージア州から来たというカップルが1組、同じくジョージア州の男性1人。朝早かったのもあって小規模なグループでしたが、ガイドさんとゆっくり話や質問ができたりして良かったです。ツアーではFree House (説明はこちら)、倉庫、瓶詰め&ラベル工場を見学しました。Free Houseではバーボンと蒸留所の歴史のビデオを見せてもらい、原料や熟成のプロセスについて説明してもらいます。Buffalo Traceバーボンは、コーン/ライ麦/大麦麦芽が8:1:1の割合で使われているそうです。

そのあと入った倉庫は、外壁はレンガ、中の柱や床は木造という1881年に建てられたもの。でも樽の並んでいる棚はバーコード管理されていたり、消火スプリンクラーがついていたりと現代的な面もありました。バッファロー・トレースの倉庫には、3年から24年熟成のものまで幅広い年齢の原酒が揃っているとのことです。敷地内を通してウィスキーの香りが漂っているんですが、その中でも特に倉庫の中はさらに香りが充満していました。夏季だと、もっと強い匂いがするとか…。匂いだけで酔ってしまう恐れがある人は、涼しい日に行った方がいいかもしれません(笑)。

それから、瓶詰め&ラベル工場ではこの蒸留所で作っているお酒のショーケースも見せてもらいました。ラベルにしっかりカタカナで「ウィスキー」と書かれた、Blanton’sの日本輸出用ボトルもありました(宝酒造と提携しているそうです)。ツアーの最後にギフトショップに付属した試飲カウンターでウォッカと2種のバーボンを試飲しましたが、飲まない人にはバーボンチョコレートやルートビアなどもすすめてくれます。

Buffalo TraceのサイトのWebCamでは、ツアーでは見られなかった部分の蒸留所内もかなり詳細にわたって見られるので、興味のある方はのぞいてみてはいかがでしょうか。

Buffalo Trace 蒸留所ツアーの写真 (Flickr)


Comments

“ケンタッキー旅行記その2:バッファロー・トレース蒸留所” への2件のフィードバック

  1. 日本で焼酎(産業)の研究をしています。
    現在、サンアントニオ(TX)に滞在しています。是非ともバーボンウィスキー工場を訪問したいと思っています。
    車の運転が出来ないので公共交通機関を利用しなければなりませんが、幾つかの情報によりますと、バスもタクシーもないということらしいです。ウィスキー工場を訪ねる良い方法がありましたら、お教えください。

  2. こんにちは。
    Frankfortは州都なので、おそらくタクシーはあるのでは…と思って調べてみました。
    Taxicabs & Transportation Service, Frankfort, KY by Distance – Yellow Pages – Switchboard
    自分で使ったわけではないのではっきりした状況は分からなくてすみません。
    ページ下のほうの、Frankfort Taxi Service のどちらかが町の近くにあると思います。

    バッファロートレースは比較的町の近くにあって、朝早く始めればウッドフォードリザーブ、ワイルドターキーにも同じ日に行けるかもしれません。日本みたいに流しのタクシーは多分あまりいないので、電話して来てもらうことになると思います。

    熊本で焼酎の研究…というのもいいですね!私も逆に、今度日本で酒造に行ってみたいと思っています。