オープニングスピーチ

Automattic 全社合宿2018年版: フロリダ州オーランド

先週、1週間ほどの Automattic 全社合宿(Grand Meetup)が終了しました。昨年は出産後ということで不参加だったので、2年ぶりにチーム以外の多くの同僚と会う機会となりました。

今年の目的地はフロリダ州オーランドの Disney Springs というエリア。ユニバーサル・スタジオやエプコットの一部で貸切パーティがあったりもして、今までとは少し違った雰囲気でした。

ユーザーリサーチのクラス

今年の合宿の前半は、通常業務を行う一部の人をを除いた全員が3つのうちいずれかを選択することが必須でした。

  1. クラス(志願した同僚が教えてくれる)
  2. プロジェクト(主に機能開発・プロセス改善など、こちらも志願者が提案)
  3. サポートローテーション(年に一度、サポート以外の職務の全員が1週間行うサポートウィークを合宿中に一緒の部屋でやるバージョン)

私は「プロダクトに反映するためのユーザーリサーチ」という内容のクラスを選択しました。教えてくれたのは Boon Sheridan 氏。後から知ったんですが、今年の UX Days Tokyo にも登壇していたとのこと。

今回のクラスは3日間で、内容は主にユーザーインタビューについて。この方式のリサーチには通訳者として先日初参加したばかりだったのですが、今回この実施・分析方法について詳しく知ることができてよかったです。

ブーン・シェリダン

講師のブーン・シェリダン。

クラスを取った勢いで、前から読みたいと思っていた「シグナル&ノイズ」というデータ分析系の人たちがよく勧めている本を(やっと)読み進められました。新しく得た知識と相まって、「様々な切り口で情報収集し、予測を調整し続けていくことで正しい予測に近づける」という部分、そして定質的リサーチの意義が実感して理解できた気がします。

それにしても、他のクラスの資料なども見て、I will never stop learning ― 学び続けることをやめない、という会社のモットーのひとつを進んで実行している同僚たちに改めて刺激を受けました。競争して周りを蹴落とすためではなくて、知識を共有して周りと一緒に成長していこうという人たちに囲まれているのは幸せなことで、私ももっとがんばりたいなと本当に思います。

“Japanmattician” の増加

Automattic には出身地と居住地が同じではなかったり、そもそもどちらも一つではない人も多いので、「日本人社員」という概念があまり意味をなさなかったりします。

「日本関係の人」みたいなゆるい意味で、日本に住んでいたり自分や親や配偶者が日本人だったり、というメンバーの “Japanmattician” が特にここ1年ほどでずいぶん増えました。今年の合宿では、みんなで集まって VR をやりにいったり、飲みに行ったりもできてとても楽しかったです。

年に一度顔を合わせる、ということ

完全リモートワーク(正式には「分散型」ワーク)の会社で働き始めて8年になりました。入った頃は2桁代だった社員数も現在は約800名で、全員の顔と名前が一致しないどころか、ハンドルネームを聞いただけでは同僚かどうかわからない人も大半、という状況ですが、憂うことというより「そういうもの」と受け止めるようになってしばらく経ちます。

それこそ前述したユーザーリサーチのようなもので、1週間限定で多くの人たちに直接会うことは、会社のことや他のチームについての質的理解が深まる機会だと思います。多くの情報はオープンに、テキストデータその他としてアクセスできる形で常に存在しているけど、やっぱり対面で得られる情報はまた違うし、両方あってこそ役に立つ多面的な知識になるような気がしました。


リモートワークの会社の合宿がどんなものか気になった方は、#a8cgm というタグで他の人の投稿や写真も見られます(InstagramTwitter)。特に、Japanmattician の一人で北海道在住の Paolo の記事がいろいろ網羅されていて全貌を知るのに参考になりそうです。

全社合宿番外編・わぷーストーリー

前回参加した全社合宿は2013年で、第一回目の WordCamp ヨーロッパの直前。その時と大きく違うと感じたのは、社内でのわぷーの普及度の高まりです!

ラップトップのステッカー、Tシャツ、記念撮影用の小道具などなど、毎日あちこちでわぷーに遭遇して驚きました。

 
去年、会社からクリスマスプレゼントとしてもらった、特注わぷーソックスを履いている人も多数目撃。

Wapuu socks

先日、私設「非公式わぷーファンクラブ」サイト (wapuu.jp) まで作った世界一?わぷーを愛する同僚ニック・ハムジーが、WordCamp ロンドンで Wapuunk が誕生し、そこからわぷーが世界に広まるまでの経緯をブログにまとめています。

wapuu’s world domination | unofficial wapuu fan club

「Wapuunk(わパンク)」は、当時 Code For The People という開発会社にいたサイモン・ディクソンが、WordCamp ヨーロッパで私のプレゼンを見てくれたことをきっかけにスコット・エヴァンスというデザイナーにお願いして急遽作ってもらったそうです(同社は昨年 Automattic に買収され、サイモンもスコットも同僚として今回の合宿に参加していました。ニックの書いた記事は、数日前に交わした立ち話から生まれています)。

パンクスタイルという意表を突いたテーマとデザインの完成度などからこのわぷーは非常に注目され、スコットは WordPress 関連のニュースサイト「WP Tavern」でインタビューされることに。この記事がさらにきっかけとなり、その後次々と海外 WordCamp でのご当地わぷーが作られていきました。ちなみに Wapuunk の存在は日本でもなかなかの衝撃だったようで、「WordPressの日本公式キャラクター『わぷー』がロンドンでパンクに目覚める」という記事でも取り上げられていました。

サイモンの言葉を Tai さんが翻訳してツイートしてくれています。

わぷーは言ってみればただの画像データでしかないのかもしれないけど、日本だけではなく世界中の WordPress コミュニティに愛され、言葉を超えて多くの人をつなげる存在になっています。オープンな文化のおもしろさと、人々のクリエイティビティの幅広さを感じられるわかりやすい象徴でもあり、柔軟にカスタマイズできるデザインになっているところも WordPress らしいです。

このキャラクターを世界中で普及させているのは、わぷーを作り出してくれたカネウチさんはもちろん、すばらしいカスタムわぷーやわぷーグッズを作ったり、Twitter やブログなどでそれを共有しているコミュニティの人々。わぷーに関わることによって、WordPress がみんなの手で作られ、広められていることも理解しやすくなるのではないでしょうか。


さて、「わぷー大好き」なニックは今月末の WordCamp 東京に Automattic スポンサーブースの手伝いに来てくれることになりました。わぷーにまつわるどんなことでも聞きたい!と言っていたので、これまでに作られたカスタムわぷーのグッズやそれに関する話などあればぜひブースで声をかけてみてください。イベント後には、彼が東京で集めた新たなわぷーのストーリーが非公式わぷーファンクラブサイトに追加されるのではないでしょうか⁉︎

Automattic 全社合宿、2015年版

今年の Grand Meetup = 社員全員が集合する一週間の合宿から帰ってきました。昨年は産休でスキップしたので、2年ぶり8回目の参加。今回の宿泊先は、ユタ州のパークシティという町でした。

100%リモートワークの会社として10年目を迎えた Automattic は、約400人のチームになりました。この人数になると合宿はちょっとしたカンファレンスのような感じでもありますが、全員が集まって静かにプレゼンを聞くような場は意外と多くありません。では、何をやったかというと…。

  • 経営、プロダクトチーム、サポートチームなどによる「タウンホール」形式の質疑応答セッション
  • 数名〜20名のグループに分かれた社内用ツール作成のプロジェクト、またはプログラミングのクラス
  • 全員がスピーカーとして4分間好きなトピックについて話すフラッシュトーク(LT)

という感じで、基本的に普段の仕事とは違うお互いの領域を理解するためにたくさんの時間が割かれています。

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Veselin and students. #a8cgm

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さらにランチとディナーは毎回違う人と一緒に食べるようグループ分けがされていたり、ハイキングや脱出ゲーム、ゴーカートレースや卓球トーナメントなどなどのアクティビティに自由参加したりと、ランダムに同僚と出会って交流することもできました。

毎日めまぐるしいほどにスケジュールが詰まっているので、合宿専用の Web サイトもつくられていたほど。もちろん WordPress.com でできていて、ログイン中のアカウント向けに完全にカスタマイズされています。毎日自分の登録したアクティビティを一覧化したスケジュールが更新されたり、食事の時の席順や自分の LT の時間と場所が分かったり。これに加えて当日の情報が Slack ボットから毎朝個人宛ての DM として届くという徹底ぶりのおかげで、日々変わる日程に混乱しすぎず過ごすことができました。

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Hiking was a good idea, @jenialaszlo ! #a8cgm

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正直言うと7日間、1日何度も自己紹介をして質問し合うのはなかなか気が疲れることではあります。みんな普段パソコンに向かってばかりいるし、そもそも内向的な人も多いので特に…。しかし、オンラインでは起こらない会話が生まれるのは全社合宿ならではの醍醐味です。具体的に今後の仕事に関わる内容はもちろん、人柄を知ったり自分のチームの外で起こってることにキャッチアップしたり。同じオフィスで一緒に働いていたら当たり前の「雑談」を、わざわざやるために世界中から集まっているとも言えるのはおもしろいです。

チームの写真

所属チームメンバーとの写真。1人だけ、家族の事情で合宿を欠席中でした。Photo by Ben Chilcote

この合宿に来ると毎年本当にいろんな感情を経験します。たまにしか会わないけど懐かしい顔ぶれがたくさんいる不思議な感覚、新しい人たちに初めて会う不安、変わり者だったり優れた能力を持っている人たちからの刺激など、一年のうち最も強烈と言って良いほどとにかく濃い時間を過ごすことができるのは確か。すべてがあまりにも非現実的に感じられるのは慣れていないせいなのかもと思っていましたが、社員の増加速度も高まって全体の人数が増えていることもあり、何度訪れてもやっぱり変わらない部分も大きいんだなと今回は特に感じました。

非現実的と言えば、最後の日の夜のパーティ。社内で楽器が弾ける人たちが結成した複数のバンドによる演奏(マットのサキソフォン演奏も初めて聴いた!)がどれもうまくてびっくりしたり、The Jane Doze という DJ がゲストとして来てかなり盛り上げてくれたり。経営陣はもちろん法務・人事・会計などが含まれるオペレーションチームの皆さんが一番ノリノリで踊っていたのもこの会社ならでは!と思ったりしました。

Automattic のミュージシャンたちによるバンド演奏

Automattic のミュージシャンたちによるバンド演奏

子供が産まれて、長い間家を空けるのは昔よりも家族の負担が大きくなった部分がかなりあるのですが、今年も参加できて本当に良かったです。快く送り出してくれた夫に感謝したいと思います。


英語版のブログ記事には主に写真を載せています。他の人のこの合宿の記録は、Twitter/Instagram/Facebook などの #a8cgm タグで見られます。