WordPress アンケートで分かる、ユーザー属性や利用状況

昨日、2015年からほぼ毎年恒例となっている WordPress ユーザー・開発者アンケートの2020年版が公開されました。

昨年に引き続き、日本語でアンケートに回答することもできます!回答数が少なすぎて中止に…ということがないとは限りませんので、今後も日本語ユーザーの声が届くよう、ぜひ今年も回答へのご協力をお願いします。

昨年版のアンケート結果から

さて、同時に公開された2019年のアンケート調査結果ですが、スライドのページで164枚という、なかなかのボリュームです。ここでは、個人的に興味深いと思った結果をかいつまんでご紹介してみたいと思います。

1. 言語別の回答者数では英語以外が半数以上

言語アンケート回答数
英語2,667
スペイン語1,015
ロシア語788
フランス語759
ドイツ語564
日本語400
言語別2019年版アンケート回答者 (データソース: スライド p.7)

昨年の回答者総数は6,203名。今までよりも長めのアンケートだったので、根気が試されたのかもしれませんが、英語のみのアンケートだった2017年以前よりも減少傾向ではあります。そんな中、英語以外の5言語の合計が回答の半分を超える (56%) という形になっていました。日本語の回答も、今年はもうちょっと増えるといいな…。

2. 回答者は WordPress 開発・構築をしている人が多め

  • プロフェッショナル: 61.66%
  • ユーザー: 36.32%
  • その他: 2.02%

これらのグルーピングの定義は冒頭の記事にもありますが、大まかに言うと開発者・サイト構築者など、ブロガー・コンテンツクリエイター・教育関連者など、そしてそれ以外、という区分です。

去年の数字でいうと「プロフェッショナル」グループが以前よりも増えてきています。これは、WordPress.org のブログを読んでアンケートに回答する人の属性の変化というふうに捉えたほうがいいかもしれません。

3.「プロ」グループではCMS としての WordPress 利用が圧倒的多数

How Professionals use WordPress (p.30)

グラフ内の区分は左から、「主にCMS として」「ブログと CMS 利用が半々」「アプリケーションフレームワークとして」「主にブログとして」です。開発者・サイト構築者などを含む「プロフェッショナル」グループでは、昨年時点で76%が WordPress を主に CMS として利用。

How Users are using WordPress (p.33)

「ユーザー」グループの回答では逆にブログ利用傾向が強いです。「個人ブログ」が49%で、勤務先や関連団体のサイトを更新していたり、趣味のプロジェクトのサイトを作っていたり、勉強中だったり、他のメディアのライターをしていたり。

WordPress は、かなり異なる利用体験をメインにしているユーザーグループを抱えている事がよくわかります。

4. プラグインやテーマでのカスタマイズ量は強めになりつつある

WordPress Site Customization Among the User Group (p.41)

「どのくらいサイトをカスタマイズしているか」という質問では、テーマやプラグインで多くの変更を加えていると回答した人が78%に対し、テーマを変えてプラグイン数個を入れたという人は14%、ほとんど何もしていないという人は4%。そして、管理画面も含め WordPress の原型がないほどカスタマイズしているという人は4%となりました。

プラグインやテーマを通じたカスタマイズ性が上がってきているという傾向、またはプラグインやテーマ自体で設定する項目が増えてきていることの現れでしょうか。いずれにせよ、単にインストールして最低限の変更を加えるだけで使う人はかなり減ってきているようです。

5. 回答者の28%がコントリビュート経験あり

オープンソースの WordPress プロジェクトに参加したことがあるかどうかという質問の回答。これも、そもそもの回答者の偏りに影響されているとはいえ、「現在または過去に経験あり」が合計28%というのは意外に多い数字ではないでしょうか。

そして、101ページ目から120ページ目にかけての「現在コントリビュートしているチーム」の回答 (複数回答可) としては、翻訳、多言語化の Polyglots Team が201人と一番多かったです。続いて、イベントでの登壇・公式ディレクトリでのプラグイン公開という順でした。これらに共通しているのは、貢献のためのアクションがある程度定型化されていて、多くの人に理解しやすいという点。コントリビューターの裾野が広がるきっかけはそのあたりにもあるのかもしれません。


以上、たったの5点だけピックアップしてみましたが、調査結果スライド (または PDF/PPT) にはさらに多くの情報がありますので、プレゼンや企画で WordPress 利用者や利用状況についてのデータが必要な場合は活用してみてはいかがでしょうか。

そして繰り返しになりますが、ぜひ今年のアンケートに回答して、今後のデータの蓄積にご協力ください。皆さんの声が、WordPress プロジェクトの方向性に影響するはずです!


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