OSSライセンスMeetup Vol.2「実録:GPL違反とその対応を振り返る」レポート

かなり遅くなってしまいましたが、先日参加した OSS ライセンスに関するイベントのレポートを…。

1回目のスピーカーでもあった可知豊さんのツイートで知って申し込んだのですが、純粋にライセンスのみを扱うイベントへの参加は初だったかもしれません。WordPress 関連のコミュニティイベントを運営する上で正しい理解を広めるために、GPL の理解を深めようと話を聞きに行ってみました。

「実録:GPL違反とその対応」宮田 晃佳

今回のメインスピーカー宮田さんは、過去に Linux のプリンタドライバで GPL 違反という問題が起こってしまった事例の当事者。何が起こったのか、そしてその対策で行ったこと、また対応後の反応などを共有してくださいました。

いまだに国内の事例として紹介されるGPL違反に関して、状況や経緯、解決策、対応後の反響などについて振り返ります。 これまでは、客観的に違反とその対応に関して事例を説明することは多くありましたが、実際に起こった現場の声を反映した 事例の説明は数少なく、今だから言えることなど、知見を共有いたします。

https://sios.connpass.com/event/112157/

経緯は以下などに書かれていますが、2002年にスキャナ・プリンタの Linux 用のドライバに含まれる gettext パッケージの一部(libintl)についてのライセンス問題でした。

初期対応は約3ヶ月で、かなりがっつりとした内容だったことが説明を聞いて分かりました。

  • 指摘箇所の調査
  • OSS ライセンスの内容調査
  • アーキテクチャの再検討
  • 独自ライセンスの作成
  • 独自ライセンスの確認
  • ソースコードの修正
  • 動作検証

「真摯な態度で」という言葉が何度か出てきたのですが、まさにそういった姿勢とそれに伴う行動があったからこそ、大炎上などせず一件落着となったケースだったのだと思います。

ディスカッション

第2部として、宮田さん小笠原さんによるディスカッションが行われました。踏み込んだ質問はもちろんオフレコの話題まで、その場にいないとニュアンスを含めて聞けなかった話もあり、イベント参加ならではの勉強になった内容でした。以前から気になっていたフロントエンドにおける dynamic/static link の扱いについても質問が出ていましたが、まだはっきりとした見解はないということだけでも知ることができてよかったです。

ライセンスの理解に向けての姿勢

今回のイベントを通して、ライセンスを正しく理解することはいつも簡単ではないけど、やっぱり一歩ずつでも適切な遵守に向けて努力することが OSS の理念を大事にする人間としては必要なことだと感じました。そして、もしも間違ってしまったとしても、真摯な姿勢で引き続き理解と問題解決をコツコツやっていくことが大事。「あたりまえ」だけど、そう思います。


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