西川さんの記事「WordBench は誰のもの?」に対する個人的考えです。
私自身 ja.wordpress.org (WordPress 日本語サイト) 運営などを通じて「WordBench.org の運営側」を担っている一人ではあるのですが、ここに書く内容はあくまでも私一人の考えであり、他の運営者とは異なる部分もあるかもしれません。
西川さんが書かれていること、率直に言って同意できる部分もあります。正論だと感じる部分も多いです。
コミュニティの成長によって生まれた意識のズレ
それをふまえて。
WordPress 日本語サイトの運営チームとして10年以上ブログの翻訳やら (ここ数年) イベントカレンダーの更新やらをしてきた中で、地域コミュニティの数が多くなり、関わる人が増えれば増えるほど今の体制ではやっていけないだろうという限界は感じていました。
数えてみたところ、過去1年間に限ってみても30地域近くの WordBench グループが活発に活動しています。一方、もくもく会、その他の勉強会もあり、それらを含めると40近いボランティアグループが日本各地で定期的に WordPress のコミュニティイベントを行っています。
WordBench をなくしてしまわなくても体制を変える方法は確かにあると思います。行動規範の発表はそのひとつのステップになるはずでしたし、その他にもカレンダーへのイベント追加手順など変更しようと計画しつつもまだ実行に移せていなかったこともありました。
ただ、行動規範の発表の方法や改訂の話し合いがスムーズにいかなかったことは、運営者側の意識と、受け取られ方のズレが知らないうちに大きくなりすぎてしまっていたことの現れだったのかもしれません。
WordBench 終了について思うこと
急な流れだと受け取った方も多かったのかもしれませんが、私はそういう反応の中で、WordBench を始めた三好さんがそれを終わらせるのを決断したことを尊重したいと思います。
WordBench を終えるべきときに終えることが日本の WordPress コミュニティに関わるすべての人のためになると信じてのことです。どうかご理解ください。
という思いとともに、私は未来のことを考えていきたいし、そのためにできることをやっていきたいです。
すでに、WordPress Meetup Handbook の翻訳に多数の方が協力してくれているのを見て、より多くの人が協力できる場を作ることの大事さも改めて実感しています。そして、WordPress のグローバルコミュニティが培ってきたノウハウから学び、そこへダイレクトにフィードバックしていくことは、今後日本と世界両方の WordPress コミュニティにプラスになっていくことだと思います。
WordPress コミュニティは、たくさんの人の力を合わせることで成長してきました。WordBench もその一つの例であり、矛盾しているかもしれませんが、今回 WordBench がなくなってしまうことも、数年経った時には正しい決断だったと感じられると信じています。
2008年3月に、こんなブログを書きました。10年後の今日、WordPress はその時に思っていた未来の予想を超えるほど多くの人に受け入れられるようになっています。
次のステップ
私のとっての次のステップは、引き続き前述の Handbook の翻訳に協力していくこと、そして今週と来週には新体制への移行を規模する方のためのオンライン相談会も行う予定です。
【2018/09/25編集: WordBench サイトが終了したため、Archive.org へリンクしています】https://wordbench.org/2018/06/19/meetup-officehour/
恐らくこの一つのブログ記事だけではすべてを語れていないのですが、疑問点があればコメントでも Twitter でも自身のブログでも聞いてもらえればお返事したいと思います。
言葉尻を掴んで応酬し合い、疲弊することは誰も求めていないと思うのですが、そうではなくてそれぞれ自分の土俵で言いたいことを思う存分言うのは良いことだ思います。私達には幸い、誰でも「パブリッシング」できる WordPress というツールがあるのですし。
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