だいぶ間が空いてしまいましたが、WordCamp Kansai の2日目についても書き留めておかなくては。
WordPress のコミュニティやオープンソース活動に貢献しよう、という「コントリビューターデイ」。以下の説明は WordCamp Kansai サイトの記事からの引用です。
日本のWordCampで初めての試み!コントリビューターデイってなんだ?
当日参加した皆さんで「貢献者」になりましょうって言うのがコントリビューターデイなんです。
WordPressプロジェクトは、単にプログラマーだけでなくドキュメントを書く人やフォーラムに回答する人、テーマやプラグインの翻訳をする人など、すごく大勢の人がコラボレーションすることで、現在のような巨大なコミュニティとなりました。
コントリビューターデイは、実際に手を動かすことを通してこのコミュニティを中心になって支えてくれる人たちを育てちゃおうっていうイベントなんです。
Contributor Day は過去にもサンフランシスコで2回とオランダ(WordCamp Europe)で参加したことがあり、その時は参加者の人数と熱気を目にして「さすが、オープンソース活動を中心としたコミュニティがしっかり育ってるんだなあ」と感じたものでした。しかし今回の大阪のイベントを経て、「日本でもこれだけたくさんの人が WordPress プロジェクトに協力したいと思っているんだ!」といううれしい驚きを得ることができました。
約180名の参加者
予定よりも参加希望者が多く増席が必要なくらいの反響があったとのことで、前日の WordCamp 参加者の約1/3が集まったそうです。他の国での状況を見ても WordCamp 本編と比べると小規模になることが多かったので、違う地域でもだいたい同じくらいの比率というのは面白いものだと思いました。
コア開発のプロジェクト・マネジャーによるプレゼン
この日のオープニングでは、WordPress コアの開発がどのように進められているかについてプロジェクトマネジメント担当のサム・シドラーが 話してくれました。彼はマット・マレンウェッグが Automattic とは別に興した Audrey Capital という会社の社員で、フルタイムで WordPress のオープンソースソフトウェア開発に関わっています。
コア開発テーブルに参加
サムの「WordPress コアの Trac にパッチを送って採用されたことがある人?」という質問に挙手した人は少なかったですが、初チャレンジという人も含めて10人くらいがコア開発テーブルに参加していました。
私もこちらに来て説明を聞いたり周りの人に解説したりしてみました。途中から色々呼ばれたりして席を外したので序盤だけですがいくつかリンクとメモを。
- Core Development Handbook: コア開発に参加するためのハンドブック。まだドラフト状態ですがかなり内容は詰まっています。
- Fixing Bugs: 上記ハンドブック内のバグ修正に関するページ。修正するバグを見つけるには?というセクションもあります。
- Core Trac good-first-bug タグ: このタグが付いているチケットは必ずしも「簡単」とは限らないけど、影響する範囲が少なく独立した問題なので最初に手を付ける人にはおすすめとのこと。また、既にパッチがある場合のテストでも参加して欲しいとのことでした。
とにかくハンドブックにたくさんの情報が含まれているので、興味がある方はこちらにしっかり目を通すのがおすすめです。この資料は訳される計画がありますか?という質問がありましたが、コア開発に関しては英語でのコミュニケーションが必須になるため英語以外での提供予定はないとのことです。 他にもテーマ開発者向け、プラグイン開発者向け、ドキュメンテーション参加者向け、翻訳者向けのハンドブックなどもあります。
その他のグループとしては Codex ドキュメンテーション、翻訳(プラグイン・テーマ)、プラグイン開発、テーマ開発、フォーラム、と5つあったようです。他のテーブルには参加していなかったので様子はよくわからないのですが、話を聞いた感触では多くの人が有意義な一日を過ごされたようです。スタッフの近岡さんが写真を撮ってくださっていますが、真剣だけど楽しそうな顔がたくさん!(この記事でもお借りして紹介してます)
こちらのブログでの感想が印象的でした。
【WordPress】WordCamp Kansai 2014 で本邦初開催のコントリビューターデイに参加した話 #wckansai | バシャログ。
オープンソースなんだからユーザーみんなが開発に参加できる…と頭では分かっていても、本当にそんなことできるの?という気すらします。(中略)オープンソースのコミュニティに参加する敷居の低さを実感できたという点が、今回のいちばんの収穫だったと思います。
まさに、運営スタッフが目指していたのがこれなんじゃないかなと思います。そしてその実感をお手伝いできたということは、WordCamp やコントリビューターデイの開催に関わった人たちもイベントを通してしっかり貢献されていたということでもあります。
WordPress 日本語版作成チーム集合
今回の WordCamp は WordPress 日本語版作成チームのコミッター/ローカルサイト運営者6名のうち三好さんを除く5名が一度に集まるという珍しい機会となりました。以下はチーム + こどもたち + サムとの一枚。
この日は短い時間ではありましたが WordPress 4.0 で計画されている国際化関連の動きについてのディスカッションができました。主に Multibyte Patch プラグインの倉石さんが日本語(マルチバイト)まわりで懸念している点などをチケットの例を挙げたりして共有してもらった部分が大きかったです。
日本初、「コントリビューターデイ」は貴重な体験でした
1日目もそうでしたが、丸一日あってもまだ足りないくらいの濃くて楽しい時間でした。冒頭にも書いたとおり、WordPress に協力できる場があることによって、これだけ多くの人が手を動かして成果を出すことができることを実感できてとても良かったです。
スタッフ・参加者の皆さん、お疲れさまでした!
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