昨日、フィリピン・マニラで開かれた WordCamp Philippines に参加してきました。私にとってはマレーシア(2010年)、韓国(今年5月)に引き続き、日本を含めたアジア4カ国目の WordCamp。フィリピンでは2008年から去年を除いて毎年開催されており、今回4回目だそうです。
2009年の WordCamp Tokyo でマットが「フィリピンではプールサイドの会場でカラオケ用マイクを使って話した」という話をしていたこともありましたが、今回の会場は「Asian Institute of Management」という大学院の建物。Wifi も電源もしっかり利用できて、とても整った設備でした。
イベントはセッションによって1トラックまたは2トラックの構成。コンテンツやコンセプト寄りの話が比較的多かったです(プログラム)。
フィリピン政府の WordPress 活用事例
オープニングの基調講演は、フィリピン・オフィシャル・ガゼットという政府広報サイトの編集長マヌエル・L・ケソン三世氏。「大統領通信事業開発・戦略企画室」の次官という役職についている方だそうです。
ケソン氏によるとフィリピン政府が WordPress を使うことになったのは「自然な展開(natural evolution)だった」とのことです。WordCamp Seoul で、ソウル市広報担当の方も同様に話していたことを思い出しました。両者ともアクセシビリティ、ソーシャル、インフラなど多方面にわたって詳しく説明しているのが印象的でした。
- オフィシャル・ガゼットのようなポータルをソーシャルネットワークサイトのアカウントと連携し、組織イメージの一体化を図っている。
- 政府が公開する情報は循環し、継続的に存在することが必要。
- インフォグラフィックスを政府の情報に興味を持ってもらう入り口として活用している。詳しいデータにもリンクできるのが CMS の良いところ。
- 今後の課題のひとつは、組織に蓄積された記録(Institutional Memory)を、タクソノミーやカスタム検索を調整してもっと見つけやすくすること。
- 政府のスタッフが変わったとしても、常に新しい機能を備え、継続して運営を続けられるシステムを構築するために WordPress を選んだ。
スライド資料は「WordPress を利用した政府の戦略(PDF)」とタイトルが付けられセッション直後にさっそく公開されていました。
セッション全般
フィリピンではタガログ語も公用語ですがセッションは100%英語。冒頭の話の他に、ソーシャルメディアの活用、SEO、テーマ構築での考え方、Mozilla の提供する Web 開発ツール、心に響くストーリーを書くコツ、WordPress 3.5 の話と Q&A などがありました。ランチタイムには AWS 堀内さんの飛び込みセッションも実現したそうです!
ダニリオ・アラオ氏の「ブロガー倫理とルールの標準化」というセッションの中では、今年9月にフィリピンで可決されたかなり厳しいオンライン犯罪防止法の話題を取り上げていました。この法律の話は他のセッションでもよく挙がっていて、ブロガーたちの関心が集まっているのが分かりました。
地域性はあっても、WordCamp の精神は同じ
WordCamp は地域によって特徴がありますが、今回はフードスポンサーが充実していた模様。エスプレッソマシーンがあって無料コーヒーをオーダーできたり、ドーナツやクッキーも配られていました。さらに休み時間に急遽参加者を募ったピザの早食いコンテストまで始まったり。
不思議だったのは入場者登録開始が朝7:30というものすごく早い時間だったのですが、結局1時間ほど遅く始まる→なぜか時間通りに終わるという流れ。質問の域を超えてまるでライトニングトークかのように5分くらい語っていた人もいましたが、会場の質問だけではなくツイートの方もとても活発で Twitter ハッシュタグ(#WCPH2012)はこの日フィリピン地域の Trending Topic にもなったそうです。
スタッフ・参加者・スピーカーなどみんなが WordPress コミュニティとして集い、学ぶという WordCamp らしい一日だったと思います。また開催される際にはぜひ行ってみたいです。
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