本日10月5日、WordPress に対応した新しい「ホームページ・ビルダー17」(hpb17)が発売されました。今回のバージョンは、「かんたん WordPress デビュー」というフレーズもついて、新規インストールユーザーに対して全面的に WordPress をアピールした製品になっています。
昨日、開発元のジャストシステム社で先行体験ブロガーイベントが開かれ、それについての記事も上がっていますが、驚きの声ととともに「使ってみたい」「知り合いに紹介したい」というポジティブな反応もなかなか多いようです。
- ホームページビルダー17はWordPressに完全に対応ですよ!! | ジャンクワードの森
- ホームページ・ビルダー17がすごかった! | Mighty Log
- 「ホームページ・ビルダー17」WordPress対応 先行体験ブロガーイベントに参加しました。 | 株式会社コミュニティコム
- WordPressに対応した「ホームページ・ビルダー17」の体験イベントへ参加しました | よつば手帖
さらに、使用感のレビューや操作方法の説明などもすでに出てきているようです。ここでは、このソフトが出てきたことの意味という視点で考えたことをいくつか挙げてみます。
単なるブログツールからの脱却
Web 担当者 Forum のインタビューでもコメントしましたが「ホームページビルダーは、日本での WordPress のライバルの一つ」と話すと驚かれることもあります。WordPress を通して目指しているのは誰もがサイトを作って更新できるツールですが、Web 業界に関わりがない人たちが自分で会社のサイトを作ったり、趣味のホームページを開いたりする時に考えつくツールとして、国内ではホームページビルダーの知名度はかなり高いといえるでしょう。
更新をもっと簡単に、というユーザーの要望を受けジャストシステム社が WordPress に注目したことは、WordPress がブログツールという枠を完全に超え、サイト作成のためのシステムとして認識されているということの現れだと思います。ホームページビルダーはカスタム投稿タイプ、カスタム背景・ヘッダー画像・メニューなどといった WordPress コアの機能を活かして開発されていて、なるほどといった思いでした。
新しいユーザー層の増加→使いやすさへのさらなる期待
Windows 上で WordPress サイトを構築できるデスクトップアプリができたことで、これまでとは違った層のユーザーさんが WordPress を使い始めることが増えそうです。ホームページビルダーは、家電量販店でこのパッケージソフトを手に取ったり、書店で「できるホームページ・ビルダー」の書籍を手にすることから WordPress の世界に入ってくる方がたくさんいるというのは、パソコン操作や技術的な考え方に慣れた Web 制作者ではない人たちもたくさん WordPress を使うようになるということ。そういった方からのフィードバックを受け、WordPress を分かりやすく、誰にでも使いやすいものにすることはこれまで以上に求められていくはずです。正直未知の世界で戦々恐々としている部分もないといえば嘘になりますが、ひとつの大きな転機になる気もしています。
オープンソースと企業のコラボレーション
オープンソースである WordPress が企業の既存製品とこういった形で連携することは、ジャストシステム社のユーザーサポート体制、販路、マーケティングのノウハウなど今までなかった要素が WordPress コミュニティにプラスされることでもあります。こちらもまさに未知の世界ではあるのですが、ポジティブな変化にしていくためには企業とコミュニティがお互いに理解・協力し合う努力を重ねていくことが必要になってくるのだと思います。
これからの Web 制作者が考えるべきこと
WordPress やホームページビルダーはサイト更新の手間を簡単にするツールです。それらが多くの人に使われるようになったからといって Web 制作の仕事が減っていくというのではなく、何を仕事にしていくかが変わっていくと考える方が正しいと思っています。自動化できること、プログラムがやれることをツールに任せて、人間がやるべきことを新たに模索していくことのほうが面白さはあるし、Web の可能性を広げていくにはそういった進化が不可欠です。コンテンツ作成はもちろんのこと、セキュリティ、マルチデバイス対応、アクセシビリティ、ユーザビリティ… などなど、サイト制作に関わる中で時間を割くべきことはたくさんあります。自動化できることは自動化することによって空いた時間で別の課題に真剣に取り組めるようになれば、もっと Web は便利になっていくはずです。
サイト制作者・更新者ともに、WordPress のユーザーが増えていくことをプラスに捉え、そういった大きなエコシステムの中で何ができるのか?を考えることで、制作者としての優位点を活かしていけるのだと思います。
本日出た記事、こちらもどうぞ→ ホームページ・ビルダー17でWordPressサイトはどこまで作り込める? 制作会社の仕事は奪われる? | Web担当者Forum
ということで、今日あとでどこかのホームページビルダー売り場を眺めてこようと思います 🙂
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