コワーキングアドベントカレンダー 2011 は昨日25日で終わりましたが、番外編で続けて書いています。
現在私はオフィスを持たない「分散型」企業の社員という立場なのですが(詳しくはこのへんをご覧ください)、今年の4月頃からコワーキングスペースに週何度か顔を出すという形態を試し始め、けっこう自分に合っていると感じているところです。
これまでに日本とアメリカという2つの国で、アルバイト・派遣社員・正社員・フリーランスといろんな働き方のプラス面マイナス面を経験してきましたが、今までにないバランスである現在の働き方がなかなか気に入っています。そこで今日は、コワーキングという働き方やコワーキングスペースという場所に興味があるけどまだよく分からない、という方に向けて書いてみます。
コワーキングが気になるという方におすすめしたいこと。それは、自分で体験してみること、です。
今ではノマドワーカーとかコワーキングとかいうキーワードがけっこう広まってきて、バズワードっぽく聞こえてしまい尻込みしてしまいたくなる人ももしかしたらいるかもしれません。私もひねくれたところは多少あるのでそれも分かる気もするんですが、実際に行ってみることを重ねて気に入ったという経緯があり、気になっているならやってみないのはもったいないなと思います。レポートや写真を見て情報を得ることはできますが、体験しないことには自分にとっての価値は分かりません。もちろん、イマイチ合わないな…という反応になるかもしれませんが、それはそれで納得できるし別に失うものはないです。
とりあえず、コワーキングスペースに行ってみる
まだ行ったことがないけど気になっている人は、この文を読み進むよりとりあえず行くほうが何倍もいいと思います。東京周辺だといっぱいあって迷うかもしれませんが、幸い一日や数時間から立ち寄れる料金プランも多いので、たとえば一番近所のところへフラっと行って他のスペースのことを聞いてみるというのもありです。気軽に足を運んでみれば、コワーキングってどんなものなのか実際にすぐ体験できます。土日開いているところもあるので、会社員の人でもオープンソースや趣味のプロジェクトや勉強したい本とかを持ち込んでみるのもいいと思います。
Google Maps の Coworking / Jelly! Map で、国内各地のコワーキングスペースが探せます。
他のスペースにも行ってみる
カフェでも居心地がいいところとそうでない所があるように、コワーキングスペースにも相性はあると思います。時間帯や来ている人によっても雰囲気が違ったりするし、初めて行った所にしっくりこなくても機会があればまた他のところに行ってみてはどうでしょう。コワーキングスペースで何かイベントをやっている時のほうが他の人と話しやすかったり、そうでない時のほうが集中して作業ができたりという違いもあります。
相性が合うのかどうか、どれくらいの頻度で行くのか、自分で決めて選べるのがコワーキングの良いところだと思います。
Jelly イベントを開いてみる
でも近所にコワーキングスペースがないよ!っていう人も、もちろんいると思います。そういう場合は「Jelly」という単発イベントをやってみてはどうでしょうか。フリーランス仲間などの知り合いに声をかけたり、atnd や Facebook などのイベント作成で近くの人に呼びかけたりして、カフェ、ファミレス、公民館、勉強室、カラオケボックス、誰かの家…どこでもコワーキングできます。私もアメリカに住んでいたころたまに Jelly イベントに行ったりもしていましたが、一人でカフェなどにこもって仕事をするのは苦手なのでいいきっかけになりました。
コワーキング気になる!と声に出してみる
Jelly をいきなりやるのというのは敷居が高ければ、Twitter、Facebook、ブログなどでつぶやいてみたり、コワーキングスペースに興味を持っている知り合いと話してみる…。そういったことでも少しずつコワーキングの機会が身近になってくるはずです。
どれもあたりまえすぎることのように聞こえるかもしれませんが、身の回りでも最初の一歩を踏み出すまではなんとなく躊躇していた人もいた気がしたので、あえて書いてみました。考えたり見聞きしたりするより、ちっちゃくてもアクションを起こしてみるのが一番だと思います。
コワーキングスペースというのは勤めている会社のオフィスのように場所を与えられて行くところではないので、訪れるには当然、能動的になることが必要になります。だけど逆に言えば、それは自分が選択して居られる場でもあります。行くのも行かないのも自由だからこそ、気に入った場所を自ら見つけて参加していける面白さがあります。
行ったことがない場合、コワーキングをするという選択肢は新しくてよく分からないものに感じられるかもしれないけど、実際にその場に足を運び、自分の感覚で判断すればきっと「分かる」はず。気になっている人は、ぜひ一度コワーキング体験を試してみてください。
ここから下はおまけで、コワーキングに対して個人的に思っていること。
分散型企業ではインターネット上で一緒に仕事をしますが、オンラインに職場を持つことは幸せでありちょっと寂しいことでもあります。住む場所に縛られることなく世界中に散らばった同僚とチームで働けるのはインターネットならではとはいえ、もちろん距離による制限も存在します。
先日 WordCamp Tokyo で来日していた同僚の一人、ジョン・フォードは「この会社で働いていて最も良いことと悪いことは?」という質問に、「(どちらの答えも)分散型という形態であること。すごく自由だけど、チームが遠くにいるのがもどかしいこともある」というように答えていましたが、私もそう思います。でも、ブログというリモートコミュニケーションのツールを開発している私達には、これ以外の最善の選択肢は今のところないのかもしれません。遠くにいる人達に何かを伝えることのフラストレーションも楽しみも理解してこそ、よりよいサービスを工夫していくことができると思うからです。
同時に、私たちはインターネットだけの中に生きているわけではないというのも事実。コワーキングに参加して日々の仕事をしている中で、同僚以外やネットとは関係ない仕事をしている人たちの視点を継続して知る機会があるのはプラスになっています。ネットという広い世界と、コワーキングというローカルな環境を両方バランスよく足して働けるのは現代ならではで、おもしろいなーと思っています。
そんなわけで、言いたかったのはつまり、コワーキングおすすめ!なかなか楽しいよ!ということ。このブログがきっかけになって行ってみようかなと思ってくれる人がいればとてもうれしいです。
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