先日の WordCamp Kyoto でも、2.9 の事が知りたい!という声をたくさん聞きました。情報としては既にネットにあるので、プレゼンで発表することではないかなとは思ってあえて詳しくは触れなかったのですが、まだ日本語の情報は少ないし、引き続き興味は高まっているようなので主要な変更をまとめてみました(以下は、Codex/Trac 情報の他、コア貢献者でもある Dougal の WordPress 2.9 Features という記事などを参考にしています)。
- 「ゴミ箱」機能
- 投稿、固定ページ、コメントの削除の際に出てくる「本当に実行しますか?」というプロンプトを廃止して、かわりに OS やメールクライアントのような「ゴミ箱に入れる」という状態を導入。これで間違って完全削除してしまうこともないし、うっとうしいプロンプトが出てくることもなくなります。
- 投稿サムネイル
- 投稿にサムネイル画像を追加できます!the_post_image() という新しいタグで、画像の表示位置も指定可能なので、カスタムフィールドや添付ファイルの設定をいじったりしなくても「マガジン風」レイアウトのテーマなどが簡単に作れるようになります。
詳細やスクリーンショットは、WP Engineer の New feature in WordPress 2.9 – the_post_image()(英語)にて。
- 画像の編集機能
- メディアライブラリで、画像の簡単な編集ができるようになります。
回転、反転、切り抜き、サイズ伸縮など本当に基本的な操作だけですが、ちょっとした編集だけの場合は特に画像処理ソフトを立ち上げるのが面倒だと思うので、便利さが感じられると思います(右の画像)。
- メディア埋め込みの高機能化
- 動画埋め込み用プラグイン、Viper’s Video Quicktags というのがあるのですが、この機能の一部がコアに入ります。oEmbed への対応も含まれるため、YouTube・Flickr・Vimeo・Hulu などのURLを本文中に入れるだけでメディアを埋め込むことができたり、今まで以上に簡単に外部コンテンツを含められるようになります。
この機能の詳細は、前述のプラグイン作者のブログ、Easy Embeds For WordPress 2.9(英語)にて読めます。
- プラグインからのテーマ変更
- register_theme_directory() により、プラグインがテーマを指定・変更できるようになります。
- カスタム post_type
- post_type には post/page/attachment などがありますが、これを自由に作成して利用できるようになります。カスタムタイプを使ったクエリも可能になり、より「CMS ライクな」使い方ができるようになります。
- スラッグベースのカテゴリー・タグテンプレート指定
- 今まではカテゴリー・タグ ID のみの接尾語しか使えませんでしたが、例えば category-events.php とか、tag-music.php 等のテンプレートを作成することで、’events’ や ‘music’ のスラッグを持つカテゴリー・タグページがそれを使用するようにできます。ID はインストール環境によって違ってしまうこともあるので、これは便利。
- その他便利な関数・フィルターの追加
-
- excerpt_more: 概要の続きを表すテキスト […] を変更するためのフィルター。
- smilies_src: スマイリー画像の位置をカスタム指定するためのフィルター。
- the_terms: タグやカテゴリーと同様に、カスタムタクソノミーの term(項目)を一覧表示するタグ。
ここに挙げたものは変更の一部なので、さらに詳しく知りたい方は、Trac や Codex をどうぞ。
WordPress Codex 日本語版のバージョン情報ページは、メジャーバージョン(2.7、2.8など)の場合リリース前から英語版が更新されています。2.9でも4月くらいからそのページが準備されてきました。日本語訳も今日公開しました。
» Version 2.9 – WordPress Codex 日本語版
Trac チケットをもとにしているので、機能の羅列となって読みやすいとはいえないかもしれませんが、詳しい内容に興味がある方は目を通してみてください。
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