“ホテル・ルワンダ” を観た。

Hotel RwandaDVDにて。平日の夜10時過ぎなんて時間に見始めてしまったんですが、Special Featuresもほとんど全部じっくりと見て、気づくと3時を過ぎていたという…。途中で切ろうと思ったけどとにかく興味深くて、止められなかった。それくらい濃い映画でした。

舞台は1994年のルワンダ。題材は100日間の間に100万人近くの人々が殺されたルワンダ大虐殺。血や激しい暴力シーンは決して多くないですが、伝わってくるメッセージの強さに絶えられる覚悟を持てる時に見ないと、相当「重い」と感じてしまうと思います。とはいえ、ただ恐ろしいだけのドキュメンタリーではなく、人間ドラマを通してこの事件を考えるきっかけをくれる、完成された作品です。

これだけの規模の虐殺に対し、国際的介入はほぼ行われず、各国軍や国連は外国人滞在者を非難させただけで去ってしまう…。そして10年たった今も、同じような民族浄化がスーダンやコンゴで起こっています。主人公ポールの「大切な人たちと、できるだけ多くの人たちの命を守る」という行動は、「あたりまえ」であるべきであって、狂っているのは、彼が特別なヒーローに見えてしまう状況の方だ…と思わずにはいられません。

それにしてもびっくりしたのは、実際の大虐殺の時にその場にいたルワンダ人がエキストラとして多く参加しているということ。残酷な事件を思い出すだけでも大変なことなはずなのに、このストーリーをより正しく世界に伝えようと撮影に参加した人々のためにも、私も観て思ったことを伝えたいと思ってこのエントリーを書きました。
興味がわいた方は機会があったら、ぜひ観てみてください。

ちなみに最初の部分、事件の成り行きがちょっと分かりにくいかもしれないので、少し予備知識を持ってから見た方がいいかもしれません。

7/26追記:Turn On One Dayのyoshiさんからトラックバックを頂きました。日本での公開を要望する映画ファンの方々により、『ホテル・ルワンダ』日本公開を求める会というサイトを通して活動が行われているそうです。

再追記:Amazon.co.jpでDVDが購入できます(ホテル・ルワンダ プレミアム・エディション


Comments

““ホテル・ルワンダ” を観た。” への30件のフィードバック

  1. この映画と、主演のドンさんがアカデミー賞発表時から気になっていたのですが、日本では未だ公開予定がないようで残念。

    Naoさんの紹介記事読んだら、ますます期待してしまいました。

  2. んー、日本ではいつ公開になるんでしょうね…。
    DVDにはたくさんドキュメンタリー画像のおまけがついてたので、もし映画館で見られなくてもこちらもおすすめです。

  3. 久し振りにいい映画を観ました。Schindler’s Listと同じような映画と聞いていたので、期待していたのですが、期待以上。「シンドラー・・・」と異なり、主人公の家族も生命の危機に晒されるので、よりハラハラドキドキです。この頃の政治背景からすると当時のクリントン大統領はソマリアで失敗していますので、介入に消極的だったのでしょう。現ブッシュ政権だったら、ツチ族虐殺を防ぐ為に軍事介入していたかもしれません。
    この映画はまだ日本公開が決まっていませんが、リジョンフリーのDVDプレイヤーを持っている方はアメリカ版のDVDを購入して観るのはいかが?
    私もそうしました。英語の字幕があるので英語がある程度理解できる方にはお勧めです。米アマゾンで約19ドル(プラス送料)で売っています。

  4. 気になる映画 ホテルルワンダの行方

    3月1日にエントリーした記事にて、映画「ホテル・ルワンダ」の公開を待っていますと書いて以来、既に5ヶ月近く、もう公開はないだろうし…

  5. ホテル・ルワンダ HOTEL RWANDA

    ドン・チードル主演

    1994年に起こった ルワンダの大虐殺を描く実話を基にした映画
    約80万人が虐殺されたと言うルワンダ
    その中で 外国人向け一流ホテルの支配人ポールが多くの難民…

  6. ホテル・ルワンダ

    ■話題作レビュー!:
    人種の、民族の、貧富の差が、
    この世にあるなら、それは神の定めなのか?
    たった一人のホテルマンが救う、1200人の生命

  7. ホテル・ルワンダ

    期待値:95%  歴史にもとずいた作品。 日本での公開はされない予定だったんだけど、署名活動によって

  8. 公開記念「ホテル・ルワンダ」映画+シンポジウム観覧記(映画編)

    かなり遅くなりましたが、1月6日に行われましたホテルルワンダ試写会ならびに映画のモデルとなったポール・ルセサバギナ氏を招いたシンポジウムの模様についてルポします。
     今

  9. 公開記念「ホテル・ルワンダ」観覧記(ルセサバギナ氏講演編)

    (『映画編』より続く)
    20分ほどの休憩を挟み、シンポジウムがはじまる。事前に“ポールさんへの質問用紙”が手渡され、休憩時間中に回収するようになっていた。私もいくつか書いて…

  10. ホテル・ルワンダ

    映画ファンの署名活動が実って、日本での劇場公開が決定したという話題の映画作品です。

    かなり政治色の強い内容になっている作品だけれども、各地の映画祭などで賞を取ったため

  11. ホテル・ルワンダ

    ★本日の金言豆★
    「フツ族」「ツチ族」などの「〜族」という呼称は、差別を連想させるものとして、現在公式の場では使用されない。本作では話をわかりやすくするためにあえて使用。

  12. ホテル・ルワンダ

    遅ればせながら、「ホテル・ルワンダ」をDVDで観た。1994年にルワンダで起きた、フツ族によるツチ族大虐殺。ホテルのハウスマネージャであるポールは、ツチ族である自分の妻を含む1200

  13. 映画: ホテル・ルワンダ

    邦題:ホテル・ルワンダ 原題:HOTEL RWANDA 監督:テリー・ジョージ

  14. ホテル・ルワンダ -Hotel Rwanda-

    朝、起きたら雪が降っていたんだけど シアターN渋谷まで

    「ホテル・ルワンダ」 を ひとりぼっち で観に行ってきました


    1994年の3ヶ月程度の間にルワンダで起きた フ

  15. ホテル・ルワンダ

    ホテル・ルワンダ

     脚本:ケア・ピアソン、テリー・ジョージ
     監督:テリー・ジョージ
     キャスト:ドン・チードル /ソフィー・オコネドー/ホアキン・フェニックス
       

  16. ホテル・ルワンダ

    ホテル・ルワンダ見てきました。感想は、勝手に映画評で。 事実に基づいた映画なので

  17. ホテル・ルワンダ

    2004年(製作) 2006年日本公開 イギリス・イタリア・南アフリカ
    2006年1月28日 川崎チネチッタ ヒューマンドラマ 戦争
    監督 テリー・ジョージ

  18. ホテル・ルワンダ

    テリー・ジョージ監督 ドン・チードル、ソフィー・オコネド−、ニック・ノルティ、ホアキン・フェニックス、ジャン・レノ他出演 内戦のルワンダを舞台にしたヒューマン・ドラマ。…

  19. ¥Û¥Æ¥ë¡¦¥ë¥ï¥ó¥À

    Hotel Rwanda
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    £²£°£°£´Ç¯¤Ë¥¢¥á¥ê¥«¤Ç¸ø³«¤µ¤ì¡¢ÆüËܤǤϤªÂ¢Æþ¤ê¤À¤Ã¤¿ÌäÂêºî¤¬¤ä¤Ã¤ÈÍÛ¤ÎÌܤò¸«¤¿¡£
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  20. 『ホテル・ルワンダ』 テリー・ジョージ監督

    渋谷の映画館「シアターN」で、前回上映が終わってお客さんがゾロゾロ出てきたなー、と思ってふと見上げると、40歳ぐらいのおじさんがモロ泣きしていました。けっこう泣いてい…