日本のアニメ@アメリカ

最近、というかもうここ数年の話ですが、アメリカの一般の本屋さんでも日本のマンガ本をよく見るようになりました。それまでにもガンダムや宮崎駿さんのアニメのビデオ(今はDVD)がたいていのビデオ屋さんに並んでいたし、ポケモン・ドラゴンボールなどのメジャーな作品は加えておもちゃやグッズが売っていましたが、最近のマンガ本は日本のコミックを英訳した物がたくさん売っているので改めて驚きです。ちなみにトレンドはこの辺のようです(Amazon.comの“manga”検索、Featured Item順)。「マンガの書き方」教本も本屋でよく見ます。アメリカのCartoonではなく、「マンガ」の書き方。これについては日本よりも品揃えが多そうなくらい。

この、「アメリカ(の一部の人の間)で日本のアニメが人気」という話は今では周知の事実なのかもしれませんが、これを数値にして分かりやすく示してくれる記事を読みました。

数字にはワケがある!? 武田 徹 サブカルチャーの本懐
「記事・写真の無断転載を禁じます」とフッターにしっかり書かれている産経のサイトなので直接の引用は避けますが、かなり大まかに要約すると、

  • “文化力”(ソフトパワー)が注目され始めている。
  • 丸紅経済研究所の計算によると日本の輸出“文化力”は10年前に比べると3倍以上で、03年には輸入量を初めて上回る見通し。
  • 行政がアニメやマンガなどの支援事業に乗り出すかも?

と言った感じです。そして、最後の2パラグラフ。ここには、少し違った意見を持ちました(下の文は元記事に対するコメント)。

まず、
クリエイター(アーティスト)は誰もが貧乏・苦労しながら自己実現のためだけに作品を作ってるわけではないと思います。少なくとも、それを望んではいないと思うんです。ほとんどの人が商業的にヒットすればきっと嬉しいだろうし、社会的に認知されることと自分が納得できる作品を作ることの狭間にいるというほうが的確なのでは?ポケモンの作者さんは最初から任天堂に開発費を出してもらってゲームを作ったそうだし(厳密には最初はアニメやマンガじゃないけど…)。下積み時代がある作者が作ったにしても、今輸出されているアニメ・マンガの作品自体はほとんど商業ベースとして作られたはず。

それから、
政府がアニメやマンガを支援する事によって、経済はまだしも、政治に貢献する国際的な作品を作らせる?と本当に考えてるとしたら確かにやばい(笑)と思いますが、行政の支援と言っても、いろいろな形のものが考えられます。例えば、公立のアニメ・マンガ専門学校を作ったり、大学のフィルム・デザイン学部を充実させたり、そういった文化的ビジネスを支援する組織を運営したり、思想的に影響を与えずに建設的に支援する手立てはたくさんあると思います。

アニメやマンガを「サブカルチャー」として特別に捉えるわけではなくて、日本においてのハリウッド映画のようなものとして考えた時、その環境を整えて将来のクリエイターを育てるのに労力を惜しむ事はないと思います。私自身が“文系”、“アート寄り”の位置にいるからではなく、そう思うのは経済的な視点から見ても当たり前のような気がします。例えば、ITスペシャリストやバイオサイエンティストを育てるのが将来の経済に貢献するだろう、という予測と同じように…。

アニメやマンガに限らず、キャラクター商品(Bowling for Columbineにも出てきたGreat Lakes Crossingというモールにはサンリオショップもあります)やTVゲームなどは、日本ではサブカルチャーというよりむしろメインストリームといえる位置にすでにある気がします。なので、私は最後のパラグラフにあったような危惧をするよりも、日本のアーティストたちへの更なる支援が、より質の高い文化的コンテンツ制作のプラスになる可能性を信じたいと思っています。

こんな風にひとつの記事を取り上げて違う意見を言うのは初めてのような気がします。でも、ただ反論するのではなくて、考えるきっかけとなった元記事も尊重したいと思ってますので、ぜひそちらも読んでみてください。武田徹さんのサイトも見つけましたが、幅広いトピックをカバーしたコラムがあり、読み応えがありました。著書もたくさんあって、活躍されているジャーナリストの方のようです。おっと、“ほぼ日”にもインタビューがありました。


Comments

“日本のアニメ@アメリカ” への5件のフィードバック

  1. こんにちは!
    私は単純に漫画(女性作家)好きアニメ好き(トトロ・どらえもん映画)
    なので日本の物が海外で受け入れられると嬉しい♪としか
    考えてませんでした。
    色々な見方、考え方があって勉強になります♪

  2. 行政のサブカルチャー支援?
    数字にはワケがある!? 武田 徹 サブカルチャーの本懐[産経新聞] 国際秩序は今や軍事力などのハードな強制力ではなく、文化によって「ソフト」に支配されている-。そこで丸紅経済研究所が試算をしたそうです。
    92年に4978億円だった「文化輸出総額」が、02…

  3. こんにちは。
    別の用事でtrade mateとして知り合った方(GrandRapidsの^^)が、
    アラレちゃんを知っていた時には驚きました。

    そしてまったく関連ないことなんですが、
    オーストリアで「たけし城」がオンエアされてたのにもすごく驚きました。
    質問攻めに遭いました・・・。

  4. ますた-のアバター

    わーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーい

  5. ますた-のアバター

    コンチわーっス 今学校のパソコンからかきこしてまーす!!
    キターーーーー{