先日、カナダのバンクーバーで開かれたATmosphereConf 2026に参加してきました。このイベントは、Blueskyの基盤として使われている分散型SNSプロトコルであるATプロトコル(atproto)の技術イベントであり、開催は昨年のシアトルに続いて2度目とのこと。4日開催のうち2日半の出席でしたが、多くの人と出会い、たくさんの知識を吸収することができました。
個人的には、「ATプロトコルって一体何なの?」という質問の答えに少し近づけた気がしています。もちろん定義としては理解していましたが、全容や輪郭のようなものが行く前よりもはっきり見えてきたと感じています。
今回、Blueskyはスポンサーとして旅費やチケット代を負担し、3名の開発者の皆様にも日本から参加してもらいました。
イベントの構成
現地では約350人が参加し、オンラインチケットも550枚ほど登録があったそうです。
スケジュール
- プレイベントDAY1: Media Day + ワークショップ
- プレイベントDAY2: ATScience + ワークショップ
- カンファレンスDAY1
- カンファレンスDAY2
という4日構成でした。
運営者・スポンサー
イベントの運営者はATプロトコルコミュニティのメンバー。3名のリード運営者と数名を合わせたコアチームが運営し、当日は40人のボランティアスタッフが参加していたそうです。運営はスムーズかつ、細部まで配慮を感じました。
Blueskyの立ち位置はスポンサーになります。他にも、Streamplace、Graze Socialなどのatprotoプロダクト企業や、Google、Cloudflareなどのテック企業もスポンサーしていました。

トピック
このイベントはプロトコル自体の議論をするためだけの場ではなく、エコシステム全体をターゲットとしているようで、セッションでは哲学から実験的試み、そしてプロダクトのビジネスまで、かなり幅広いトピックが取り上げられていました。









興味深かった話題
私の属性は開発者ではありませんが、Blueskyの日本担当としての観点からも興味深いセッションが数多くありました。例えば…
- 科学コミュニティでのATプロトコルの使われ方
- 分散型プロトコルがSNSや社会をより良いものにするためにはどうすればいいのか
- Blackskyなどの、Bluesky以外のATプロトコルベースSNS
- ATプロトコルについて
- 開発状況、今後のロードマップ
- インフラの運用
- コミュニティやエコシステムを成長させるための提案
- ATプロトコルを使ったプロダクト開発
- 国際化、ローカリゼーション
- ユースケース
振り返ると、ユースケースのセッションに多数参加していたみたいです。具体的にはこんなもの。
- エンタープライズデータの活用にlexiconをデータ構造化言語として使う
- データフォーマットとしてのブログの利用
- カレンダーアグリゲーションアプリ
- 注釈付けツール
- 共有されたリンクのアグリゲーションツール
- ソーシャルコーディングサービス
- 非公式npmディレクトリサイトに追加するソーシャルレイヤー
ここに挙げたのは私が見ることができたものですが、全体としてはほんの一部です。毎日3-4部屋でたくさんのセッションやアンカンファレンスが行われ、幅広い属性の参加者も飽きさせないプログラムになっていました。
日本からの参加者、川俣涼さんもライトニングトークで登壇。
感じたこと
概要を書くだけで盛りだくさんになってしまったので一旦このあたりでまとめとしたいと思います。
ATプロトコルのスローガンは “We can just build things(私たちはただ、作ることができる)”。自由があり、「できる」のだから、とにかくやってみよう、作ってみようという文化があります。その言葉どおり、このプロトコルを使って自分たちの手で何かの問題解決をしようとしている人たちがたくさんいたのが印象的でした。
そして、改めてびっくりしたのはBluesky以外のATプロトコルを活用した事業の成長です。最近ではソーシャルコーディングサービスTangledの資金調達の話もありましたが、数々のプロダクトが「作ってみた」とか個人開発の域を超えて本格的に事業化するフェーズに入ってきている様子です。もちろんその段階になる前にたくさんの小さなイノベーションが存在してこそだと思いますが、ATプロトコルはBlueskyを支える基盤という役目だけではなく、SNSという単一領域さえも超えて「ソーシャルレイヤーの基盤」に進化していると感じました。


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