WordPress のロゴや商標の扱いについてよく聞かれるので、いつも回答している内容をブログ記事としてまとめておきます。
まず前提として、「WordPress」「WordCamp」の名称及びロゴの商標について書かれている公式ドキュメンテーションの日本語版はこちらです。
公式ロゴのファイルは、こちらからダウンロードできます。
よくある質問
上記のページのみでは具体的なことがわかりづらいかもしれませんので、よくある質問と私が行っている回答をご紹介します。
以下は、私個人が過去に WordPress Foundation の担当者や Automattic の法務部とやりとりを通して得た理解の範囲に基づいた説明になります。これは法的におかしいんじゃないか、とか、自分は Foundation から違う回答をもらった、ということがあればご指摘いただければさらに更新・改善していきたいと思いますので、ぜひよろしくお願いします。
Q: WordPress という単語をサービス名に使っても良いのですか?
商標ページの、以下の部分が参考になると思います。
WordPress の名称やロゴを自らのサービスの説明のために言及することができますが、製品・プロジェクト・サービス・ドメイン・会社名の一部として使うことや、WordPress ファウンデーション・WordPress オープンソースプロジェクトとの提携や公式推薦をほのめかすような使い方はできません。
引用が続きますが、さらに詳しい例として、
例えば、「いろはウェブサービス 〜中小企業向け WordPress コンサルティングサービス〜」というような使い方は問題ありませんが、「WordPress コンサルティングサービス」という団体名を名乗ることはできません。WordPress テーマ関連の企業が「世界トップレベルの WordPress テーマを提供するABC テーマ」といった説明をするのはかまいませんが、「WordPress テーマポータル」というような名称を使うことはできません。
また、WordPress・WordCamp のロゴを、製品やサービスを説明するページ内で使うことはできますが、企業・製品ロゴやブランディングの一部としては利用することはできません。
という部分も。企業・製品ロゴやブランディングの中心に WordPress の名称やロゴを使うのではなく、あくまでも説明・補助的な目的で使ってくださいという形です。
「WP」や「〜Press」などは商標登録されているわけではないので制限はありません。
Q: WordPress のロゴを書籍の表紙やイベント告知に使いたいのですが、どのような形なら適切ですか。
サービス名に関する質問と同じく、あくまで「説明・補助的な目的」としての配置が望ましいと思われます。メインビジュアルとして WordPress のロゴを使うのではなく、他のロゴやビジュアル要素がメインとなっていれば問題はないはずです。
Q: WordPress という単語をドメイン名に使えないって本当ですか。
トップレベルドメインに関しては利用制限があります。詳細は WordPress ドメインポリシーをご覧ください。
Q: WordPress.org サイトのスクリーンショットを書籍やサイトで紹介してもよいですか。
はい、大丈夫です(と、こちらに明記されています)。
Q: 商標・ロゴ・ドメイン利用に違反している例を報告したいのですが。
WordPress Foundation のお問い合わせフォームから報告できます。英語で書く必要がありますので、どうしてもヘルプが必要な際は WordPress 日本語サイトのお問い合わせフォームを利用していただくのもありかと思います(すぐにお返事できるかは分かりませんのでご了承ください)。
Q: 商標やロゴ利用について、WordPress Foundation に問い合わせたのですが返事がありません。
商標ページに書かれた説明ですでにカバーされている回答に関しては、返事がない場合があるようです。
Q: 違反するとどうなるの?
いきなり訴訟を起こされるということはありませんが、指摘があってもやめないなど聞き入れてくれない相手に対してはそういうこともまったくないわけではないようです。過去に、「WordPress」を含むドメインの利用について訴えられて示談になったという事例が2015年にありました。最終的にはドメインは WordPress Foundation に移管されたようです。
Q: なぜ名称やロゴを自由に使わせてくれないの?
WordPress はオープンソースのプロジェクトなのに、どうしてそんなにルールがいっぱいあるの?とお思いの方もいるかもしれません。その理由をひとことで言うとすれば、「WordPress のブランドイメージを保護するため」ではないでしょうか。オープンソースであり、派生物がたくさんあるからこそ、いわゆる公式なものとそうではないものを区別してユーザーを混乱させない必要性は一層高くなっていると思います。
まったく使えないわけではないので、ルールを理解して活用していきましょう!
さいごに
それから、WordPress のロゴや名称のみをメインブランディングとして使ってしまっては、そのサービスやプロダクト固有のブランディングがほぼなくなってしまうという面もあります。印象に残るオリジナルのロゴや名称を作ってアピールしつつ、WordPress 関連のものであることを分かりやすく示すほうが長期的にはプラスに働くと思いますよ。
コメントを残す