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Poedit の翻訳メモリを活用して、PO ファイルの翻訳を効率化

私は PO ファイル翻訳ツール Poedit をかなり頻繁に使っているのですが、Facebook でふと「Poedit の翻訳メモリの使いこなし方が知りたい」というコメントを見かけました。この機能、便利な割にはあまり活用されていないような気がするので、この機会にブログで説明してみます。

翻訳メモリのメリット

「Poedit には翻訳メモリがある」というのは、私が WordPress 関連の翻訳をする時にこのソフトを使う理由の大きな一つです。翻訳メモリは Translation Memory = TM とも呼ばれていて、労力の節約と訳の統一性を実現してくれるとても素晴らしい機能です。Poedit では過去に登録した翻訳済みファイル内の訳文、または自分が Poedit を使って入力した訳文と全体または一部が一致する項目があれば、その訳を未確定 (Fuzzy) ステータスとしてインポートしてくれます。

翻訳メモリの使い方

この便利さを実感するには、使ってみるのが一番。簡単な使い方は以下のとおりです。

  1. 翻訳済み PO ファイルを用意する
  2. Poedit → 設定」メニューから「翻訳メモリ」タブを開く
  3. ファイルから学習…」ボタンを押して、用意した翻訳済み PO ファイルを読み込ませる
  4. 翻訳したいファイルを開き、「カタログ」メニューで「翻訳メモリを使って未翻訳項目を埋める…」を選択し、実行

基本的にはこれだけです!

次のバージョンの Pro 版では、オンラインの翻訳リソースも翻訳メモリの一部として利用できるようになります (上記スクリーンショットはバージョン1.8beta2)。

翻訳済みファイルについて

翻訳済み項目が多ければ多いほど一致する可能性が高くなります。例えば WordPress の翻訳であれば、オープンソース化されている翻訳ファイルがたくさん存在するので追加しておくのがポイントです。

多ければ良いと言っても用語やスタイルの統一のため、あまりにも関係なさすぎるプロジェクトのファイルは追加しないほうが良いです。また、自動翻訳のみなど翻訳の質が低いファイルを足しても未確定項目のレビューの労力が増えてしまいます。

Tips

一点残念なところは、翻訳メモリ全体はエクスポート・インポートできないこと。 (2018/05/24追記: 手動になりますが、翻訳メモリの移行方法は存在します)使えば使うほどメモリが充実してくるのはいいんですが、たまにデータが破損したりすることもあるので、必ず追加したい翻訳済みファイルはバックアップを取っておいたほうがいいかもしれません。

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