私は単に「環境に良い」だけじゃなく、「合理的」とか「便利」とかいった条件も両方満たされるようなアイディアが好きです。だってそういうものでないときっと広まっていかないし、実用的ではないと思うので。
その条件にぴったり合う私の愛すべきサービスがあります。それは「BookMooch(ブックムーチ)」という、本の交換ができるサイト。Twitterでもつぶやいたのですが、このサイトに日本語版ができたことに気づいたのでご紹介します。
アメリカには古本屋さんも一応あるのですが、みんなが積極的に売買しているわけでもなくって、読んだら地下や物置にしまいっぱなし、ってことが多いような気がします。
スペースが広いからそれが可能というのはいいんですが、きっとゆくゆくは捨てられてしまうか古紙としてリサイクルという運命にあることがほとんど。リサイクルはもちろんいいことですが、それを行うこと自体にもエネルギーが必要ですし、すでにあるものをそのまま再利用する方が効率的なことは間違いありません。
古本だってせっかくまだ本としての価値があるのに、数回読んだだけで使われなくなってしまうなんてもったいない。そこで、BookMoochの出番です。
BookMoochのはじめかた
簡単に説明しましょう。
このサイト内では、クレジットカードの登録やペイパルアカウントなど何もいりません。本をもらうために必要なのは、
- 物置や本棚の奥から引っ張り出してきた古本(まずは10冊)
- 本を入れる封筒
- 宛名書き用ペン
- 送料(アメリカ国内ならペーパーバック1冊の場合2ドル弱)
これだけ。
入会して10冊手持ちの本を登録すると、1クレジットになるので、1冊と交換できます。さらに、あなたの本が誰かからリクエストされて、送ってあげれば1クレジットもらえます。この繰り返しでお金を使わず読みたい本が読め、いらない本は誰かに読んでもらえるというしくみ。
本の値段に関係なく、かかる費用は切手代だけです。自分の国以外から送ってもらう場合、2クレジット必要になりますが、逆に海外に送ってあげると3クレジットつくようになっています。
大半は英語の本なのですが、日本語の本や他の言語の本もたくさんあります。本屋さんでも手に入りにくい国の本を必要としている人にも役に立ちそう。
この他にも図書館などに古本を寄付するという方法もありますね。でも、図書館だってみんなの古本をエンドレスに受け取るわけにはいかないし、必要としている本がもらえないということもあるはず。あげたい人と読みたい人両方が幸せになれるこういうサイトのサービスはもっと合理的だし、ネットならではだなと思います(実際、創業者のJohn Buckmanは図書館に大量の本を持って行ったものの、結局置く場所がなくて捨てられてしまったことからこのサイトを始めたとか!)。
BookMoochは著者の敵?
本の著者にとってはこんなサイトが人気になったら問題じゃないの?という声もあるかもしれませんが、私はあんまりそう思わないんですよね。自分の場合、無料で音楽が聞けるサイト(たとえばLast.fmとかPandora Radio、そしてYouTubeも)をよく使うようになって、今まで知らなかった曲を発見したり買ったりする機会が増えたし、同じようにBookMoochを眺めている間に在庫にない本が欲しくなって買うこともあります。
BookMooch自体もAmazonからの収入で成り立っているらしいし(参考:Bookmoochの裏側にあるビジネス)、こういうサイトが活発化することによって読書自体を促進することになるのではないかな?と思うんです。
その他の物々交換サイト
他にも本やCDなどをはじめとして、交換サイトはほんとにいろいろあります。サイトは英語のみですが、U-Exchangeなどは世界のどこでも参加可能のようです。
- 本
- Zunafish、SwitchPlanet、Swaptree(以上3つはCD・DVD・ゲームもあり)、TitleTrader、PaperBack Swap、FrugalReader
- DVD、CD、ゲームなどのメディア
- Peerflix(DVDを3ドルから購入可能)、Goozex(ゲーム)
- 服や靴
- Swango(郵送料、クレジット+小額のお金が必要)、Kizoodle(子供服など)、
- 「なんでも」
- U-Exchange(車とかボートまであります)、SwapThing
BookMoochロゴライセンス:Creative Commons Attribution 2.5 license
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