カテゴリー: イベント

WordCamp Seoul 2013 レポート

去年に引き続き、韓国ソウル市で開かれた WordCamp Seoul 2013 イベントに行ってきました。

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今年の会場は Space Noah というところ。コワーキングスペースやカフェも併設されている建物内にあります。規模は80人くらいとのことでしたが去年よりも会場と客席が近い感じでとてもいい雰囲気でした。休憩時間にはフレンドリーにたくさんの人が話しかけてきてくれて、短い時間ながら WordPress について話せて良かったです。

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私は「What can you do with WordPress?(WordPress で何ができる?)」という事例紹介のプレゼンをさせていただきました。WordPress の強みは CMS・アプリケーションエンジン・モバイルなど多様な方面でプロジェクトのベースとなるしくみ、そしてそれを取り巻くリソースが充実していること。これは、何千万のサイトに利用されている人気のオープンソースソフトウェアならではの利点です。

続いて同僚で WordPress.com プレミアムテーマの担当者フィリップ・アーサー・ムーアが質疑応答的インタビューを行いました。参加者には WordPress をまだ使ったことがないという人も結構いたので「WordPress.com と WordPress.org の違いは?」「Automattic ってどうやって利益を得てるの?」といった基本的な話から、「WordPress の改善が必要なとこってどこだと思う?」というような質問も出ました。ちなみに最後の質問に対する彼の答えは、「個人ユーザーにはもっともっと簡単に使えるように、高度な使い方をしているユーザーにはさらにパワフルになるべき」そして「モバイルからの使い勝手をさらに良くすること」とのことでした。

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その後 WordCamp Tokyo 2012 実行委員長として紹介を受けた西川さんがショートプレゼンで4つのサービス(BookPress・ころぐ・WPBooster・網元)を紹介。こうして見ると、去年に比べて日本発の WordPress をベースとしたアプリやサービスも増えてきていてますね。プレゼン後には技術的な質問も飛び交い、とても興味を持ってくれているようでした。

韓国料理ランチを食べた後、午後は韓国語のみのプレゼン。通訳の方がちらほら訳してくれたりスライドを見るくらいしか分からなかったのですが、それでも韓国の事例など普段はなかなか入ってこない情報が分かったりとおもしろかったです。

  • 韓国でも大企業・市町村などでの CMS としての WordPress 利用は増加の兆しを見せている
  • 去年のソウル市による WordPress 導入はかなりのニュースで、影響が大きかった
  • 食品系の大企業「CJ」も積極的に WordPress を推進中
  • 個人ブログやフォーラム系ソフトについては NAVER ブログの勢いが強い
  • 開発者層の増加が人気に追いついていないので、WordPress 関連技術に詳しい人が求められている
  • 東亜日報のブログポータルはマルチサイトで2000ユーザーを擁している。大規模サイトの最適化に詳しい開発者もまだ足りていない
  • BuddyPress はまだまだユーザーが少ないが、オープンで多機能なシステムへの期待は高い模様

最後の方のスピーカー全員への質疑応答コーナーでは「日本でどうしてそんなに WordPress の人気があるの?」という質問も出ました。一つの大きな答えとしてはやはり、「層の厚いユーザーコミュニティの存在」があるのではないでしょうか。日本語版パッケージを定期的にリリースし続けているチームの存在はもちろん、情報共有のためにブログを書いたり、勉強会やイベントを開いたり、オープンソースのプラグインやテーマを公開したりしている個人や企業などの活動の集まりが今の日本の WordPress を形作ってきたのだと思います。そういう流れが韓国でも起こるよう、協力していけたらと思います。

WordCamp Seoul 2013

運営委員長のクリスさんと彼の同僚は WordCamp Osaka にも来てくれた上、今度の東京も行くよ!と言ってくれたのでまた会えるのが楽しみです。

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翻訳もくもく会 @ Co-Edo(コエド)でいろいろ翻訳しました

今日大阪では「WordBench Osaka 春の大翻訳祭り」が行われていました。こちらに遠隔サポートメンバー(?)として参加しつつ、第三回となる「翻訳もくもく会 @ Co-Edo」でいろいろ翻訳関連の作業をしたのでまとめを書いておきます。

Translation Meetup @ Co-Edo

翻訳ファイルを作成した旨をプラグイン・テーマ作者に知らせる例文

プラグインやテーマファイルを翻訳した場合、元の作者に送ってパッケージに含めてもらうと、日本語ユーザーにはダウンロードがかなり楽になります。でもどうやって伝えればいいの?という声を大阪のイベントの運営グループで聞いたので、ドキュメンテーションの1ページとしてまとめてみました。

Codex 日本語版: 翻訳の共有

簡単な例文だけですが、気軽に作者さんに声をかけてみるきっかけになればと思います。他にもいい例文や、翻訳ファイル共有に関する TIPS などあれば Codex の編集をお待ちしています!

Limit Login Attempts プラグインの翻訳

大曲さん、姫野さんと一緒に「Google 翻訳者ツールキット」を使ってみよう!ということで、Limit Login Attempts というプラグインをみんなで翻訳してみました。

Limit Login Attempts 設定画面

Google 翻訳者ツールキットは複数のチームで翻訳するために使ったり、機械翻訳を参考にしたりといった点では悪くないと思います。最終的には Poedit で調整し、ローカルでテストしてさらに修正しました。完成ファイルはこちら

勢いで選んでしまったのですが実はこのプラグイン、 @fokotate さんがすでに翻訳済みでした!パッケージには翻訳ファイルが含まれていなくてもこういうこともあるので、まず「プラグイン名 + “日本語”」でググってみないといけないですね…。ということで教訓も改めて学びつつ、今日は勉強になったので良かったと思います。彼のブログにプラグインについて詳しく書かれています(Twitter でやりとりさせていただき、ありがとうございました!)。

Limit Login Attemptsの日本語化をしてみた

翻訳もくもく会について

それから先ほど公開したブログ記事の翻訳や、そこからリンクした Codex ページの翻訳など、けっこうはかどりました。この翻訳もくもく会は、茅場町にあるコワーキングスペース Co-Edo で毎月1回行っています。WordPress の翻訳に限らず、文章表現を相談しつつ他の人と一緒に翻訳してみたい!という方は次回5月19日(日)のイベントに足を運んでみてください。

Translation Meetup @ Co-Edo

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Webstock 2013 レポート【その2: Automattic 俳句ブース】

昨日セッションレポートを少し書いた Webstock、引き続いてスポンサーシップ関連についてもちょっと共有します。

Automattic「俳句」ブース

Automattic.com のホームページにはここ数年くらい(なんちゃって)俳句、というかプロダクトを説明する「haiku」が並んでいます。WordPress.org では「Code is poetry(コードは詩である)」というタグラインもよく使われているし、開発版リリースの際にもたまに haiku が添えられたり。言葉を使ったこのアートは Automattic と WordPress のちょっとした裏テーマになっています。

Wellington, NZ

今回のイベントでは初の試みとして、ブースで「haiku」を詠んでもらうというしかけを行いました。イベントスポンサーシップ担当の Rebecca、Jetpack 開発などをやっているチームの Gary、そして VIP サポートの Daniel と一緒に、単語のマグネットをボードに貼りつけまくって準備し、一句詠んでくれた人のイベントネームタグに入っている Twitter アカウントと作品の写真を撮りました。イベントの最後の日には優秀作に Jetpack ロゴ入りの充電器をプレゼントという流れだったのですが、かなりハマって一人でいくつも作ってくれる人もいたりしておもしろかったです。 続きを読む

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Webstock 2013 レポート【その1: セッション】

先週ニュージーランドのウェリントンで開かれた Webstock というイベントに参加してきました。Automattic のスポンサーブースの手伝いで行ったのですが、ブースにいたのは休憩時間のみだったのでカンファレンスもしっかり見ることができてよかったです。動画が公開される予定とのことですが、個人的に特に印象に残ったものをピックアップしてご紹介したいと思います。

工業化された無知(クレイ・ジョンソン)

オープニング・セッションは、2008年度にオバマ大統領のオンラインキャンペーンを担当した Blue State Digital 共同創業者のクレイ・ジョンソン。食べ物から摂る栄養を選ぶべきであるように、情報も「ジャンクフード」的なものを意識的に排除して取得していくべきだという話。

Webstock

具体的なステップとして、

  • SNS や特定のサイトからの情報取得を時間で制限する
  • 消費者ではなく、製作者になる(彼の場合、朝起きたらすぐに文章を書くとのこと)
  • 消化しやすいけれど部分的な情報ではなく、分析に時間がかかるけど濃い情報も取得・提供するように心がける
  • 仕事において、ジャンクではなく意義のあることを行う(”Work on stuff that matters”)

といった点が挙げられていました。「正しい情報への自由なアクセスを!」というけっこう固いテーマを取り扱いつつ、ポップカルチャーや食べ物など身近な比喩をたくさん使ったプレゼンは分かりやすく、楽しめました。メッセージを伝えてアクションを起こさせる、というプロならではだなあと感心してしまいました。彼の話したコンセプトについて詳しく知りたい方には「インフォメーション・ダイエット」という本もおすすめです。

モダン Web デザイナーのワークフロー(クリス・コイヤー)

CSS Tricks や Smashing Magazine などでフロントエンド技術情報を提供しているクリス・コイヤー。デザイナーの視点から、ローカル環境の構築・バージョンコントロール・CSS プリプロセッサなど仕事をスムーズに進めるためのツールをよく知ることの重要性を話していました。完全に Mac の環境の例ではあったのですが、彼のおすすめする具体例の詳細についてはノートをどうぞ。自身で開発に関わったデザイン用サンドボックスアプリ、CodePen の話もしていました。

パックマンからデザイナーが学べるレッスン(ジョン・グルーバー)

Daring Fireball のジョン・グルーバーの題材はパックマン。子供の頃どれだけパックマンを愛していたかを語りつつ、世界中で人気を博したこのゲームの魅力の理由を分析していました。そのエッセンスは以下の4点。

  • 楽しい(Fun)
  • シンプル(Simple)
  • わかりやすい(Obvious)
  • 挑戦しがいがある(Challenging) 

ヒットに繋がるアプリやサービスを作るときには、それはひとことで説明できるものか? というのを自問するべきだ、と結んでいました。

アダプティブ・コンテンツに適応していくこと(カレン・マックグレーン)

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ニューヨーク・タイムズ、コンデナスト、タイム・インクなど大手新聞社や出版社のデジタル戦略をアドバイスしてきたカレン・マックグレーン。キャッチーな引用を散りばめつつコンテンツを多様なメディア(モバイルブラウザ、テレビ画面、アプリなど)へ自由自在に適応させていくために大事な考え方を語っていました。旧体制の会社が陥りがちな間違ったやり方を単に指摘するだけではなく、NPR の「COPE(Create Once, Publish Everywhere)」 や TV Guide の長期的コンテンツビジョンといったモデルケースを具体的な例とともに挙げていました。CMS についての言及で、多くのケースではまだまだワークフロー UX の最適化には至っておらず、「スタッフがコンテンツを作成するべき時にシステムの使い方に苦心しているようでは、時間やお金の無駄」というようなことを言っていたのが印象的でした。

昨年9月に彼女が同じトピックについて話した際のプレゼンのスライドや動画がすでに上がっていますので、さらに詳しく知りたい方はぜひ。

メディアを発明する(ロビン・スローン)

 「メディア発明家」を名乗るロビン・スローン。先日このブログでも少しだけ触れた「tap story」の原型となるものを考えだした本人でもあります。書籍や映画(活動写真)が生まれた歴史背景に遡りつつ、新しいフォーマットのメディアが発明される時にはどんなことが起こるのか?メディアが変貌を遂げている現代にそこから学べるものは何か?という内容でした。

  • 書籍にしても動画にしても、最初はトライ&エラーの連続だった
  • 初期のコンテンツにはくだらなく見えるものもあったが、その事自体とメディアそのものの重要性はまた別

スマートフォンやタブレットというまったく新しいデバイスが普及し始めているこのタイミングは、エジソンが「ブラック・マライア」と呼ばれた小屋のような撮影所で実験を繰り返していた10年間と同じようなポイント。新しい表現やコミュニケーション方法を生み出す可能性は今を生きる私達が握っているんだ、という視点を改めて実感させてくれたプレゼンでした。


これだけでは書ききれないのですが、メモを取っていたものだけまとめてみました。全体的にコンテンツやコンセプト寄りの話が多く、これから Web に関わっていく上での姿勢をどうやっていくか?という考え方へのインスピレーションを与えてもらえるプレゼンが充実していました。詳しくは前述のあとで公開される動画や、以下のリソースもどうぞ。

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