カテゴリー: アート&デザイン

Palmer Woods ホリデーホームツアー

夏に、Indian Villageの家を見に行ったことについて書きましたが、今回はまた似たようなホームツアーに行ってきました。

Palmer Woods Holiday Home Tour

Palmer Woods(パルマーウッズ)は、デトロイトの7mile Road と Woodward Avenue の交差するあたりにあります。フランク・ロイド・ライトやアルバート・カーン、NYのワールド・トレード・センターを設計したミノル・ヤマサキなどの建築家が手がけた住宅が今も残る歴史のあるコミュニティで、1年に一度、この「ホリデーホームツアー」を行っています。

今回見ることができたのは5軒。Indian Villageの家もなかなか豪華でしたが、Palmer Woodsの方は笑えるくらいどれもまさに豪邸でした。6バスルーム、6ベッドルームなんていうのは珍しくなくて、なんと6つ暖炉がある家まで…(まあ、古い家なので実用のためではあったんでしょうが、それにしても)。

そのほかにも豪華な設備や内装を挙げればきりがないですが、全体を通していいなあと思ったのは古い家の魅力、です。築数10年~100年以上でもリフォームや修理を繰り返して、思わず息を呑むような美しい家に保っているというのは、それ自体が価値あることだと思います。機能面やコストでいえば新しい家を建てるほうがいい面も多いだろうけど、実際に中に入って見てみて、長く大事に住まれてきた家にしかない魅力を感じました。
最高なのは、古い家の魅力がありつつ新しい機能が揃った家、でしょうかね~。うちも結構古いといえば古いので、一応目指せるか(笑)

関連リンク:

Detroit Festival of the Arts 2005

Sand Sculpture

昨日はDetroit Festival of the Arts の最終日に行ってきました。アートフェアは夏を通して色々な町で開催されていますが、この Festival of the Arts は特に気に入っているもののうちのひとつです。

あまりアーティスト数が多すぎても全部きっちり見て回れなくて消化不良?心残り?感があるし、少なすぎても物足りないし…。規模的なバランスに加えて音楽とか他のパフォーマンスとかもいい感じにそろっているので、1日中飽きずに楽しめるのがいい。

6月から8月にかけてほとんど毎週末どこかでアートフェアをやっているので、今年はたくさん制覇?できればいいな~と思ってます。

Ford House

先日初めて「フォード・ハウス」に行きました。ヘンリー・フォード生誕の地はデトロイトから西にあるディアボーンという町なんですが、こちらはグロスポイント・ショアーズ(Grosse Pointe Shores)にある、ヘンリー・フォードの一人息子、エドセル・フォードとその家族が住んでいたところです。

Ford House

うわさには聞いていたものの、とにかく桁違いの大きさでした。敷地は表から見るよりずいぶん広いし、お屋敷の規模も「家」というよりむしろ「城」。建物の中での写真は撮れないんですが、公式サイトで内部の写真を見ることができます。庭などの写真は、FlickrにUPしました>Ford House

デトロイトの歴史に深く関わったフォード家の人々の中でも、エドセル&エレノア・フォードは特にアートに造詣が深かったらしく、外観も内装もやりすぎでない趣味の良さが感じられるのが実は意外でした。とはいえ、庶民の想像を絶するほど広いです(笑)。ところで映画「Frida」に出てくる、Diego Riveraをスポンサーするフォードの社長は、このエドセルさんです。

本当に限られた人のためのものとはいえ、生活の場だったものがこうやってまるごと残されているというのは、美術館にきれいに収められたそれぞれの家具や装飾品を見るのとはぜんぜん違ってとても面白かったです。邸宅は1929年に完成したそうですが、その後に改装された部屋もあり、イギリスのお城から輸入した暖炉、部屋まるごとオーダーメイドの「ストリームライン」スタイル、フランス人の乳母の住んでいた部屋…などなど、いろんなインテリアを見ることができます。

近代アメリカの歴史はもちろん、アート、インテリアデザイン、建築に興味のある人はきっと楽しめると思います。行った日は天気が良かったので、敷地内を散歩するだけでもかなり気持ち良かったです。

「号泣する準備はできていた」を絶賛してみる。

号泣する準備はできていた私は“みさかいない”くらいに江國香織さんのファンなので、多分かなり偏った意見しかもてないし、そうでない方には参考にならないブックレビューかもしれませんが、とにかくこの感動をお伝えしたいと思い、エントリーにしてみました。

号泣する準備はできていた」は、2003年11月刊の短編集ですが、先日里帰りした際にやっと手に入れることができました。帰ってから1ヶ月近くたっているし、私はけっこう読むスピードが速いほうなのですが、読むのがもったいない!と思うくらい彼女の本が好きなので、大事にゆっくり読んでいたら今日までかかってしまったという次第です。

個人的には後ろ帯に書かれた「詩のように美しく、光を帯びた文章が描く、繊細な12の短編。」というコピーがあんまり好きじゃないのですが…(まあこういうのは本当に個人の嗜好に関わることなので、文句をつけているわけではありません)。確かに表面的な文章の美しさもあるんだけど、それによって表現されているとてもリアルで痛くてせつない内容のほうが心を打つ気がします。うーん、まあ、「その先」は美しいかもしれない。

やや意味不明でごめんなさい。

一番好きだったのは「熱帯夜」。ストーリーにそのまま自分を重ねることはできなくてもまったく問題なく物語の中に入っていけてしまうし、ひとつひとつの言葉が恋愛というシチュエーションを越えて、共感として心に響いてくる気がします。途中ももちろん最高なんですが、特に最後の2ページにぐっときてしまいました。そんなことをするときっと作者の意図に反してしまうと思うけど、この2ページだけでも読んで欲しい!と思うくらいお勧め(ちなみに、66ページと67ページです)。

それから表題作の「号泣する準備はできていた」も、かなり好きです。「熱帯夜」も、他の話もそうですが、何度読んでもそのたびに違う味わい方をできるというのがすばらしいと思います。そして、この作品には特にそれを感じましたねぇ。収録されているのは20ページ前後の話ばかりで、筋は一回読めば頭に入ってしまうというのに…。そしてその20ページあまりでこんなに自分を感動させてくれる文章を書いてしまう彼女は偉大だ!と思ってしまいます。

私はどう転んでも江國さんより上手な表現で彼女の小説を説明することも、今感じていることをうまくあらわすこともできないと思うので、「興味があったら読んでください」としか言えないのですが…。うーん、こうして「いいよ!」と期待させてしまって読んでもらうのも良くないのかもしれない、と思うくらい慎重にお勧めしたい気分ですねぇ。やっぱり、期待してしまうと、思ったとおりのものでなかったときにがっくりしてしまうので、できれば先入観なく読んでもらいたいです。直木賞受賞作とか、そういうのもきっかけとして以外には読書の楽しみ自体にあまり関係はないのです。

「彼女の文章はさらりしている」、とか、「物語が遠くにあるものを見つめている感じ」と評価される人も多いことに気づいたのですが、これはホントに好みの問題なんでしょうかねぇ。私はその距離感がなんともたまらずいいなぁと思います。

彼女はきっと、人生や恋愛がよく分からないものだと言うことも含めて、人生や恋愛と言うものをよく分かっている気がします。そして、それを表現する方法も…。文章の「上手さ」と「狙わないこと」のバランスも、最低限の言葉でいろんなことを的確に描写することができるところも、とにかく大好きです。