カテゴリー: 6月 2010

WordPress 3.0 の新用語

WordPress 3.0 日本語版が、日本時間のおととい夜中にリリースされました。
今回はいつにも増して皆さんの期待がきっととても大きかったのでしょう、「いつ出るのかな?」「早く出て欲しい!」といったようなブログや Twitter でのつぶやきをよく見かけたし、日本語サイトへのメールの問合わせまで来たほどでした。深夜にもかかわらず、公開後の反応もすごかったです(こちらも、Twitter)。

さて、今回は「用語」に焦点を当ててみます。

今回のバージョンで訳語が変わった言葉はいくつかありますが、その中でもコンセプトが大きく変わったのは、「ブログ」「サイト」「ネットワーク」という各インストールを指す言葉、そして「管理者」「特権管理者」という2つのレベルの特別なユーザーを指す言葉です。
これらをできるだけわかりやすく説明したいと思います。

「ブログ」「サイト」「ネットワーク」

シングルインストール版の WordPress はこれまで、ブログ / CMS ツールと公式サイトなどでも常に書いてありましたが、管理パネルでは個々のインストールのことを実際には「ブログ」と言及していました。例えばですが、新規登録の際には「新しい WordPress ブログの設置に成功しました」と書かれたメールが届いていたはずです。一方、WordPress MU では、全体を「サイト」と呼び、個々のディレクトリまたはサブドメインを「ブログ」と呼んでいました。

WordPress 3.0 からは、以下のようになります。

サイト
シングルインストール WordPress のドメイン全体
または、マルチサイト内のディレクトリまたはサブドメインひとつ
ネットワーク
マルチサイト全体

ネットワークとマルチサイトの使い分けはというと、ネットワークの方は実際のインストールを、マルチサイトとはネットワークを作成できる機能の集合を指しているという感じでしょうか。

管理パネルメニュー

管理パネルの特権管理者サイトメニュー

「管理者」「特権管理者」

こちらは MU にはもともとあったコンセプトですが、マルチサイトには「特権管理者」という WordPress ネットワーク全体を管理者するユーザーがいます。このユーザーができるのは、例えば以下のようなことです。

  • ネットワークの設定を変更する
  • ネットワークのコアファイル、プラグイン、テーマをアップグレードする
  • ネットワーク全体にプラグインやテーマをインストールする
  • 全てのサイトやユーザーを編集する(各「サイト」のメンバーとして含まれていなくてもよい)

一方マルチサイト版の管理者は、シングルインストール版と違って上記のようなことはできなくなります。各サイトの管理はほとんど変わりませんが、プラグインやテーマは特権管理者がインストールして許可(ネットワーク全体、またはサイトごとに有効化)したものから選ぶような形になります。

マルチサイトユーザーリスト

マルチサイト版のユーザー一覧

WordPress.com アカウントを持っている人は、そこでサイト所有者としてできるようなことがネットワーク内のサイトの管理者にもできると思ってもらえればわかりやすいかもしれません。WordPress.com はプラグイン周りに制限のある運用になっていたり、有料アップグレードにで一部機能を追加するといったカスタマイズが加わっていますが、基本的にはこの WordPress マルチサイト版と同じコードをベースにしています。


これらの変更に関するコア開発者 Nacin の説明を読めば、このような決断になった流れを知ることができます。ブログ記事のタイトルは「用語の悪夢」ということで、関数名称の決定・変更などなかなか大変だったことが伺えます。

マルチサイト版の仕組みはシングルインストールに慣れていると少し混乱を感じるかもしれませんが、使ってみれば意外とわかりやすいし便利なものです。サブディレクトリモードならネットワークを作成するのはとても簡単なので、ローカルやテストサイトで試してみてください。

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WordPress 3.0 リリース

WordPress のメジャーアップデート版、WordPress 3.0 「セロニアス」が今日リリースされました。

概要の説明はリリース告知ブログで、詳細な変更点の一覧は Codex で読むことができます。

今回の大きな変更は WordPress MU との統合、新デフォルトテーマ、投稿タイプ&カスタム分類用の新 API、などです。MU の機能は今後、「マルチサイト機能」と言い換えれられ、これを有効化したサイト群は「ネットワーク」と呼ばれるようになります。新デフォルトテーマ「Twenty Ten」についてはWordPress.com 日本語ブログで詳しい説明を訳していますので、こちらを読むと隅から隅まで分かるはず。投稿タイプカスタム分類の Codex ページはまだ翻訳中ですが、早くも詳しいブログ記事があちこちで公開されています(ちなみに最終的に Custom Taxonomies は「カスタム分類」という正式訳になります)。

このように、一つ一つの新機能だけでもかなり盛りだくさん。その上細かい改善もたくさん詰め込まれているので、誰にでも「これはうれしい!」という更新がきっとあるはずです。

日本語版はまだですが、しっかりテストと最終チェックをした上で公開の予定です。

最後に、WordCamp Yokohama のスライドを貼っておきます。一部機能のスクリーンショットのみですが、20枚目以降で 3.0 の機能をいくつか紹介しています。

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5月の WordCamp 参加レポート(SF、MY、横浜)

先月5月はサンフランシスコ、マレーシア、横浜と3つの WordCamp に参加してきました。こういった機会もなかなかないと思うので、3つの国、そして都市での WordCamp を比べてみたいと思います。

WordCamp San Francisco

まずは5月1日に開催されたサンフランシスコの WordCamp。今回は700人以上の参加者がいたそうで、多くのコア開発者やその他の分野の貢献者も来場していました。

他のイベントと比較して印象的だったのは、こんな点。

  • 開発者向けの内容は少なく、オープンソース概論の話が多かった
  • マットの基調講演での質疑応答がかなり盛り上がっていて会場との一体感があった
  • 2日目のデベロッパー Day は100人近くが集まってわいわいやっていた。本イベントの良い補完となっていた感じ

私はセッションはあまり見ることができませんでしたが、一部をライブ配信などで楽しみました。WordPress.tv にも徐々に動画がアップされていくと思います。

イベントの模様について詳しくは、WordCamp Yokohama のサイトに寄稿していますのでそちらもどうぞ!

WordCamp Malaysia

そして、5/22にはマレーシア初の WordCamp がクアラルンプールで行われ、スピーカーとして参加させてもらいました。こちらは一転ずっとセッションを聞いていて、参加者の目線から見ることができた WordCamp でした。

こちらで印象に残ったのは、こんなところ。

  • WordCamp の指針をジェーンが公開した直後だったため、GPL テーマに関してプレゼン内容を変更したというスピーカーがちらほらいた
  • インドネシア、シンガポール、カンボジアなど、周辺諸国からも複数の参加者があった(プレゼンは全て英語)
  • プロ・ブロガーの「ブログマネタイズ」パネルディスカッションが意外と面白かった。テクニックの話に終始せず、「好きなトピックを選んで、良いコンテンツを積み重ねる」という意見に全員が同意していた
  • 初開催のこのイベント後、Meetup(勉強会・オフ会的なもの)が開かれるきっかけになったというのがとても良かった

日本に比べると Automattic の WordPress.com 以外の各プロダクト(サービス)の知名度や利用率が高かったのも印象的でした。やはり英語圏というのが大きいのかもしれません。

WordCamp Yokohama

WordCamp Yokohama 2010 - 5/29そして、先日行われた横浜のイベント。最終的な来場者数は約300人で、Ustream の視聴者も数百人規模だったとのことです。

国内では5回目のイベントとなりますが、とても盛り上がったと思います。

  • たくさんのスポンサーさん、メディアの方、様々な分野のスピーカーさんが協力してくださるようになってきた
  • とにかく、WordPress への注目&期待度を強く感じた
  • セッションのトピックが幅広く、ライトニングトークの参加希望者も多かった

こちらに関しては、記憶の新しいうちにもう少し詳しく書いてみたいと思います。


3つの国の WordCamp はそれぞれ違う人たちが企画・運営しているにも関わらず、「オープンソースプロジェクトとしての WordPress の考え方」をきちんと共有している限りは、同じように大事なことを参加者に伝えられるイベントになっていると感じました。

WordPress を通して生まれたイベントによって、ソフトウェアだけではなくて考え方や人と人とのつながりが広まっていくのを目の当たりにすることができた3つの WordCamp。駆け足であちこち飛び回り忙しくはありましたが、とても充実した1ヶ月でした!