カテゴリー: 2007

WordPress.comテーマ販売サイト「マーケットプレイス」の話題

「WordPress、有料テーマの販売サイトを構築」というニュースがアルゼンチンで開かれたWordCampで公表されました(リンク先はブログヘラルド日本語版)。

サイトの立ち上げ日程などの詳細はまだ不明ですが、簡単に言えば、このマーケットプレイスの仕組みは「WordPress.comを通してテーマを販売することで、50%の利益が得られる」というもの。

それってそんなにたいしたことなの?と思われるかもしれませんが、ユーザー数を考えてみてください。例えば、現在いる約173万人のユーザーのうち、0.1%(1730人)に、10ドルのテーマを販売した場合…

(1730,000人 x 0.1% x $10) x 50% = $8,650(約100万円)

値段は自由につけられるようになるとのことで、この計算式にはいろんなケースが考えられます。

「個人ブログをやってる人たちが、そんなにテーマを購入するのかな?」とか、「無料テーマがあるサービスもあるのに、わざわざWordPress.comで有料テーマを使うかな?」いう疑問は残りますが、値段設定によっては数%〜数10%のユーザーが購入する人気テーマが出てくることも、あり得ない話ではないと思います。テーマデザイナーのモチベーションがあがることで、今よりも高品質のテーマが揃うことも考えられます。

オープンソースのWordPressをもとにしたWordPress.comでこういったサイトを立ち上げることに関して、議論が広まることは間違いないでしょう。すでに、ブログヘラルドでも「WordPressのテーマ販売サイトに反対」といった記事が書かれていたり、Mattの記事のコメント欄(英語)でもさまざまな意見が飛び交っています。

「半分もの利益をAutomatticが独り占めしてしまうのはずるいんじゃない?」という声もありますが(確かに利益率すごく高いなぁ、とは思いました)、それだけのユーザーが集まる場を提供するブログサービス運営者が他にいるのなら、その人にも可能なわけなので、独占と言い切るのはちょっと微妙。

個人的には…公正でコミュニティ(開発者、ユーザー)全体のことを考えたルールに基づいたものなら、「商業化」自体は、悪いことだとは思いません。私自身もテーマを配布しているのですが、残念ながら本業としてではなくまったくのボランティア行為である以上、費やせる時間は限られているし、最高のレベルでサポートができているとはどう考えても言いがたい。それを改善するきっかけになるのなら、「高品質で低価格のテーマが手に入る」という状態は、今よりもいいことなのかもしれません。テーマを作って配布すること自体はそんなに大変とはいえないですが、バージョンアップに伴うアップデートや細かいサポートは正直、けっこうつらいものがあるので…。これはもちろんプラグインに関しても言えますし、WordPress MEやリソースの日本語化に深く関わっている皆さんの労力に比べたら私の悲鳴などほんとに微々たるものだと思いますが、きっとこう思っているテーマ作成者は多いはず。その問題を認識し、解決のためのインセンティブを用意しようとしているのは前向きなのではないでしょうか。

心配なのは、幅広いユーザーが気軽に使えるサービスであるWordPress.comが、お金がなければ楽しめないものになってしまうのか?インストール型も含め、無料テーマが手に入りにくくなってしまうのか?というあたりです。テーマ作成者にとっても、ユーザーにとっても、喜ばしい状況に持っていけるのかどうか。これは今までのどんな有料機能追加よりも、Automatticの運営手腕の見せどころになるような気がします。

WordPress開発陣やAutomatticのやることに基本的に好意的な私が言うことなので、本当に偏った意見として差し引いて聞いてもらいたいのですが…。このアイデアに限らず、実際やってみて失敗ということももちろんあり得るんですよね。でも失敗や批判を恐れないからこそ、できることもある。前例がないからこそ、やってみる価値がある。そこがWordPressの魅力であり、危なっかしいところではありますが、私は彼らの挑戦が成功することを信じてみたいと思うのです。

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WordPress.comの機能説明をしてみます。

機能紹介ページはまだ英語しかないので、セールストーク?も兼ねて、WordPress.comの基本機能を説明してみますね。箇条書きでは物足りないけど、ひとつずつ説明すると長過ぎるという微妙な量なので…とりあえず一覧のみ。

  • ほんの数分で無料ブログが作成できる
  • 数十種類(現時点で64種類、随時追加中)のかっこいいテーマ
  • カテゴリー分類とタグづけに対応
  • 英語スペルチェック、記事のプレビュー、1分ごとの記事自動保存、文字数カウント、写真、ビデオ
  • 詳細な統計情報
  • 強力なコメント&トラックバックスパム対策ツール「Akismet(アキスメット)」を標準装備
  • 読者登録制ブログなど、プライバシー機能が豊富
  • Blogger、TypePad、LiveJournalなどからの簡単インポート
  • サポート連絡フォームとフォーラム(注: 現在英語のみ)
  • 言語別のブロガーコミュニティ
  • コメント通知ページで簡単に自分のコメントを追跡
  • Flickr、del.icio.us、Meeboなどのサービスを簡単にブログのサイドバーに含められる「ウィジェット」機能
  • ブログ記事以外に、無制限の「ページ」作成機能
  • 記事&コメントのXMLエクスポート機能
  • 1つのアカウントでの複数ブログや複数投稿者ブログに対応
  • 「再構築」の必要性なし
  • スピードと安定性
  • 広告(ほとんど)なし(注: ほんのたまにランダムなGoogleテキスト広告を入れることがある、とのこと)

さらに有料オプションとしては今のところこういったものがあります。

  • 独自ドメイン(年間10ドル・ドメイン代金を含む)
  • ファイル保存容量の追加(年間20〜90ドルで1〜10GB増量)
  • CSSの完全カスタマイズ(年間15ドル)
  • 「プライベート」ブログの無制限作成(年間30ドル・35個までは無料、それ以上のみ有料)

ほかにも「Snap(リンク先サイトのスクリーンショットをプレビュー)」「Platial MapKit(いろんな情報をマップ上に表示)」「SongSpots(デジタルミュージックのプレイリスト)」「OpenID(グローバルID認証サービス)」などなど、便利な追加機能が簡単な設定だけで使えます。また、http://ユーザー名.wordpress.com/ というすっきりしたサブドメインが各ブログに割り当てられるのもいいですね。

日本生まれのブログサービスも山ほどあるし、今さらなぜWordPress.comをおすすめするのか…といえば、「自分で使いやすいと思うから、もっと知ってほしい」というだけのことです。もちろん慣れや個人差もあるので、日本語でのサポートがない&CSSカスタマイズは有料という面なども考えると、誰にでもぴったりとは言えません。こういう選択肢もあるんだーととらえてもらえるだけでもいいかなと思ってます。

ブログはツールより中身が大事だし、ツールは単にツールでしかないというのは事実。だからって使うのは何でもいいのか?と言えばそうではなく、使い心地が良いと思えて、何も問題(使いたい機能が足りないとか重いとか)がない状態になってやっとツールのことは考えずに済むようになるはず。そういった意味で、ブログツールとしてのWordPress(レンタルも、インストール型も)を個人的にとても気に入っています。特に、テキスト中心のブログを書くことに集中したい!と、シンプルで使いやすいブログサービスを探している人に、ぜひ試してみてもらいたいですね。

質問など、答えられる範囲で答えますので、何かあったらお気軽にコメントでもしてください。

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WordPress.comの過去一年間のアクセス増加率: 290%

つい先日、日本語化のニュースをお伝えしたレンタルブログサービス、WordPress.comですが、日本ではあまり知られていないかもしれないけど、立ち上げ後約2年でかなり成長しています。このサービスの先月時点での訪問者数について Silicon Alley Insider ブログにてこんな記事を見つけました。

WordPress Growing Like Crazy, On The Market?(WordPress、急成長中—売り出し間近?)
Nielsen’s latest blog traffic rankings show a clear winner: third-place WordPress.
ニールセンのブログトラフィック最新調査で、はっきりした勝者が浮かび上がった。第3位につけた、WordPressだ。

この調査はアメリカ国内の主要なレンタルブログサービスとのトラフィック比較をしたもの(2006年9月〜2007年9月)ですが、上位を見てみると、このようになっています。※ユーザー数ではありません、ユニーク訪問者の数ですので注意。

ブログサービス名所有組織ユニーク訪問者数(単位:千人)成長率
2006年9月2007年9月
Blogger.comGoogle19,75129,59650%
TypePad.comSix Apart7,52510,99246%
WordPress.comAutomattic2,67310,424290%
tmz.comAOL/Time Warner6,00010,29372%
Xanga.comXanga5,5283,008-46%
LiveJournalSix Apart3,6854,16013%

WordPress.comはBlogger.comにはまだまだ及びませんが、成長率では文句なしにトップクラス。つまり、「急成長」というのは記事のタイトル通り。しかし、サービス売却に向けた動きはあるのかどうか?という疑問に対して Automattic 側は「現在のところ、そのつもりはまったくない」と完全否定しています。(しかし、レンタルブログサービスってわけではない単独ブログなのに、tmz.comがすごいなぁ。他とちょっと種類が違うような気がするので、なぜ集計に含まれているのかよくわからないけど…。ちなみに、有名人のゴシップネタのブログサイトです)

ちなみに、WordPress.comで運営されているブログ数は現在約170万。1日数千ユーザーが新規登録していたりするようです。Googleはもちろん、ヨーロッパ&日本に会社組織を持つSix Apartなどと互角に張り合っていくには、この急成長はなかなか大変な側面もあると思いますが、他の組織にはない彼らならではの問題解決策を模索しながらがんばっていってほしいものです。

元記事にはMySpace/FacebookなどのSNS系トラフィックのデータも出ていますので、比較してみると面白いかと思います。

日本語のWordPress.com関連記事:

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WordPress 2.3の新機能「カノニカルURL」

WordPress 2.3から導入された「カノニカルURL(標準URL)」。これってなかなか優れものなんですが、あまり話題になっていないような…。カノニカル、だなんて聞き慣れない単語だし、まあタグとかに比べると地味といえば地味かもしれませんが、なかなかすてきな新機能なんですよ。

まずは先日もリンクしましたが、ja.wordpress.orgブログからWordPress 2.3の新機能リストを再度引用。カノニカルURLの簡単な説明です。

標準URL(カノニカルURL)」と名付けたシステムにて、URLまわりをすっきりさせました。これにより、WWW がドメイン名の頭につかないよう強制的に変更したり、記事スラッグが変更された記事の古いURLをリダイレクトしてリンク切れをなくすようにしたり、メール内の途中で途切れたURLを、似たURLへリダイレクトしたりするなどの機能が追加されました。これらの機能は、ユーザーが迷ってしまうのを防ぐだけではなく、各記事に「標準URL」を割り当てることにより、検索エンジン最適化にも役立ちます。

と、これだけでは具体的には分かりにくいかもしれませんので、以下、追加説明を。

「パーマリンク設定」をいじったことがある方はお分かりかと思いますが、WordPress管理画面では、かなり自由にブログ内のURLが設定できるようになっています。つまりWordPressのパーマリンクというのは今まで、実はパーマリンクではなかったのです。設定を変更してボタンをクリックすれば、ブログ全体のURLルールがあっという間に変更されてしまうのは便利ですが、運営を始めてしばらくたったブログでそれをやってしまうと「外部サイトからのリンク切れ」という悲しい状態が起こったりしていたわけです。

また、記事スラッグをURLに含めていて、スラッグを手動で変更したときにも同じ問題がありました。ページを書き出したあとでスペルミスに気づいても、RSSフィードからのリンクが壊れてしまうので修正するにできない…という思いをしたことがある方もいるのでは。

さらにもうちょっと詳しく見てみましょう。
例えば / というWordPressサイトのトップページへたどりつくためのURLには、なんとこんなにたくさんのバラエティがあります。

  • /
  • http://www.ja.naoko.cc/index.php/
  • /index.php/
  • http://www.ja.naoko.cc/?paged=1
  • /?paged=1
  • http://www.ja.naoko.cc/page/1/
  • /page/1/

冗談みたいですが本当です。しかし当サイトでは現在バージョン2.3+にしているため、上記のURLはすべて / へきちんとリダイレクトされ、アドレスバーに「カノニカルじゃないURL」が表示されてしまうことはなくなりました。

それで、それのどこがそんなに「すてき」なの?と疑問に思った方は、続きもお読みください。

複数のURLで同じコンテンツを表示するのは、検索エンジンに好まれないサイトの動作です。URLが違うおかげでまるで2つの別のページがあるように思われてページランクが分散してしまったり、最悪の場合検索インデックスから削除されてしまったりします(詳しくは参考ページにて:Google ウェブマスター向けヘルプ センター: 重複するコンテンツ)。

今までのバージョンのWordPressではわざとではなくても、パーマリンクの変更で過去にクロールされたURLが変わってしまったり、間違ったURLで外部サイトからリンクされたりした場合、これが起こってしまっていました。そこで今回、301リダイレクトを使うことでこの問題を解決し、常に一つのURL(これが、カノニカルURL)へ誘導するようになっています。

このように、読者にも検索エンジンクローラーにもよけいな混乱をさせないための、地味だけど便利な機能なのです。

最後に…

  • IISサーバーを使っている場合、この機能は無効化されます。
  • www.example.comをexample.comにリダイレクトするようなルールを.htaccessに書いている場合は、うまく動作しません。そのルールを削除してください。
  • 何らかの理由でこの機能を使いたくない場合は、Mark Jaquith氏の「Disable Canonical URL Redirection 」プラグインを使いましょう。

ここに書いただけではなくって、Mark Jaquith氏のところにもうちょっと詳しい説明があるので(この記事も主に彼の記事をもとにしました)、興味のある方は読んでみて下さい。
WordPress 2.3: Canonical URLs (英語)

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